映画「
世界各地を舞台にした本作では、愛する人の真実の姿を探し求める精神科医・藤代俊(ふじしろしゅん)の物語が描かれる。藤代に佐藤が扮し、藤代との結婚を直前に控えながら謎の失踪を遂げる坂本弥生を長澤、藤代の初恋の女性で世界中を旅しながら彼に手紙を送る伊予田春を森が演じた。
長澤は「同世代の監督だということもあり、“一緒に作っているんだ”と特に感じられました。やったるでという気持ちになる現場で、とにかく監督のためにどうにかできないかと“ある種”思っていました」、森は「“ある種”……私だけ歳下なのに、ここにいていいのかなという気持ちもあったんですが、役として対峙するときに、皆さんが雰囲気を作ってくださったのでありがたかったです。変に萎縮せずなじんでいけました」と冗談を交えながら振り返った。
主題歌を担当した藤井風とのやり取りについて尋ねられると、山田は「クランクインの前から、ぜひお願いしたいとは願っていたんです。それが現実になって本当にうれしく思いますし、登場人物や観客の皆さんを優しく照らす光のような曲を作ってほしいと考えていました。想像以上の楽曲をいただいて、体が震えて感動しました」と答える。佐藤も「いいところも悪いところも全部含めて“恋愛”。『四月になれば彼女は』は最後にこの楽曲が流れることで完結する作品なんだと感じます」と続けた。
作品にちなんで「手紙にまつわる思い出は?」というテーマのトークコーナーも展開。「激アツな話がある」と切り出した森は「高校3年生のときに受けた取材で『高校時代にやり残したことは?』と聞かれて、『ラブレターをもらったことがないんです』と答えました。そうしたら卒業式の日、靴箱にラブレターが入っていたんです。手紙に『女優の森さんじゃなく、(ただの)森さんとして好きなんです』と書いてあったのがうれしくて、返事をすぐに書いて走って追いかけて渡しました。『ごめんなさい、でもありがとうございます』と(笑)。その後写真集のお渡し会を東京でやったら、(地元の)大分から彼が来てくれたんです。すごくうれしかった」と満面の笑みを見せた。また長澤が「この作品が始まる前に山田監督からお手紙をいただきました。地元が近いんですが『地元のスター』だと書いてくれて」と話すと、山田は「隣の中学だったんです。自分がこういう舞台に立っているなんて、中学生のときの自分には想像もできなかった。僕も靴箱にラブレターを入れておけばよかったですね(笑)」とジョークを飛ばして場を和ませる。
「四月になれば私は…」というお題でのフリップトークも行われ、森は「4月のうちに映画を20本観たい」、長澤は「4月から始まる撮影は、今までに経験したことがないものになりそう。未知との遭遇です」と回答。佐藤は「桜を見たい」と書いて「僕たちは映画が公開されて離ればなれになっちゃいますが、この映画に参加したみんなでお花見をしたいです」と計画を明かした。
昨日3月21日に35歳の誕生日を迎えた佐藤が「フルスロットル、全開でフルパワーでやっていきたい。20代はただ言われたことをがむしゃらにやっていたんですが、もう少し俯瞰で見えるようになってきました。明確に深く努力していきたいなと思っています」と抱負を述べる一幕も。映画終盤で藤代が取った行動を挙げつつ「あれが正しいのかはわからないです。でも皆さんだけの正解を見つけるきっかけになれば」と思いを口にしてイベントを締めた。
「四月になれば彼女は」は全国で公開中。
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Prachi Rawat @Panchih0
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