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約70倍の倍率に当選した観客を前に、佐藤は「いち早く観たいと思ってくれて実際に足を運んでくれること、本当にうれしいです」と挨拶。藤代を演じたことに関しては「何かを表現しようと思うんじゃなくて、感じたままその場にいれたらいいなと思っていました。過去の回想シーンも合わせて10年ぐらいの月日を演じているんですけど、何も考えなくとも、相手が違うだけで自分の演技も変わってくる体験は初めてで、興味深かったです」と述懐する。また原作については「登場人物たちが語る恋愛のセリフが、皮肉めいているけど真実だと思うことを言っていて、僕はそれが大好き」と口にした。
本作を観た感想を問われた長澤は「観た人と愛について語り合いたくなりました」と話し、演じた弥生については「素直な人という印象がある一方で、『なぜ突然失踪?』と思ったときに、もしかして不器用なのかな?とも思いました」と分析する。山田は「弥生は、映画のために川村さんと一緒に新しく書き下ろした要素が一番多いキャラクターでした。長澤さんが現場に入って来た“一歩目”から『弥生が来た』と思えて、その信頼感や安心感が最初から最後まで続きました」と振り返る。続けて山田が「長澤さんは“座長気質”」と評すると、佐藤も「完全に長澤さんが現場の空気を作ってくれてました」と同意した。
現在22歳の森は、「甘いラブストーリーをいっぱい観たあとに、大人になるために観る1本。残酷なところもちゃんとあるし、いろんな登場人物の視点もあるし、もし実際にこういうことが起きても、お互いを無駄に嫌い合わずに済む勉強ができた」と笑顔を見せる。佐藤との回想シーンの多くは、設定だけを与えられたアドリブだったといい、佐藤が「これは森さんだから成立したなと思いました。なんなら、決められていないときのほうが(森は)輝いていた」と明かすと、森は「その通りだと思います」と認めていた。
シングルマザー役で出演したともさかは「私もこんなふうに必死で子育てしてたな、と昔の自分がフラッシュバックしました。現場はすごく心地よくて、悩める佐藤さんの横顔を『美しい人だなあ』と思いながら、ずっと見てました」と感慨深げに語る。山田はともさかの芝居に関して「子供を育てた経験からくる説得力があって、愛の本質を知っている方の目を作品に残せてありがたかったです」と称賛した。
映画での共演は本作が初となった佐藤と長澤。互いの印象について、佐藤は「本人は『これ言わないでね』って……でも言うんですけど(笑)。大事なシーンの撮影で、納得がいかなかった長澤さんが『昨日家で練習したときはもっとうまくできたのにな』って言うんです。家で練習!? するの!? 長澤まさみが!?と思って、大好きになりました」とエピソードを披露。長澤は「最初はかっこよすぎて、こっちが恥ずかしくなるからたくさんしゃべったことはなかったんですけど、思ってた以上にフランクでいい子だった!」と頬をゆるませた。
最後に佐藤が「恋愛のすべてが詰まった映画になっているんじゃないかなと思います。恋愛には答えがないからこそ、この映画を観ていただいて、皆さんだけの答えを見つけていただけたら幸いです」と呼びかけ、イベントは終了した。
「四月になれば彼女は」は3月22日より全国ロードショー。
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