中国映画界の巨匠
AFAで最高の栄誉とされる生涯功労賞は、生涯を通じて映画界に貢献し、アジア映画に多大な影響を与えた映画人に贈られるもの。1980年代から活動し、中国映画を海外に知らしめた“第五世代”の代表的な監督として知られるチャン・イーモウは、同映画賞において2010年の第4回でアジア映画貢献賞、2021年の第15回で最優秀監督賞(「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」)を授与されており、それらに続く受賞となった。
生涯功労賞を受け、チャン・イーモウは「映画製作を生涯の仕事として選んだことは、とても幸運なことだと思います。40年以上この業界に身を置き、私の映画を評価してくださる皆さんに感謝しています。皆様の変わらぬご支援と励ましに感謝いたします。私はこれからも学び続け、自分を超えるために努力します。常に未来への期待を持って、私の最高の作品が次の作品になることを願っています」と語っている。
「満江紅(マンジャンホン)」は非業の死を遂げた南宋の武将・岳飛が残した詩をモチーフに、朝廷内部に渦巻く謀略を描いた歴史劇。中国では2023年の旧正月に公開され、9100万人以上が劇場に足を運んだ大ヒットに。香港、イギリス、アメリカ、カナダ、韓国、オーストラリアといった国と地域でも上映され、全世界で約6億6700万ドルの興行収入を記録。これはハリウッドの7作品に次ぐ8位の数字で、2023年に世界でもっとも興収を上げたアジア映画となった。
受賞を記念したインタビューで、長年映画を作り続けた経験から「結局のところ、映画とは私たちの心を1つにつなぐ架け橋」と語ったチャン・イーモウ。監督業を「私は舞台裏にいるのが好きで、自分の作品を発表するために苦労しながらチームと協力している。その意味で、監督は、料理の最高傑作を指揮するマスターシェフのようなもの」と表現しながら、若い世代の監督に向けて「数々の困難に直面しても、辛抱強くやり抜くこと。情熱がある限り、やり抜くことができる」とメッセージを残している。
チャン・イーモウが出席する第17回アジア・フィルム・アワードの授賞式は、香港の西九龍文化地区にある戯曲センターで3月10日に開催。
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