日韓合作ホラー映画「
韓国のウェブトゥーンを原作とした本作。“バズらせることがすべて”な駆け出しの記者ナヨンと友人ウウォンが、アクセス数を稼ぐために地下鉄オクス駅での人身事故の取材を進めていくうちに、得体の知れない恐怖に巻き込まれていくさまが描かれる。「リング」などで知られる高橋と「アパートメント」のイ・ソヨンが脚本を執筆し、脚本協力として
原作は駅にホームドアがなかった時代に描かれたもの。現在のオクス駅にはホームドアが設置されているため、転落が起きない構造になっており、高橋は「どういう設定にしようか……と悩んでいたときに、実は地下に廃駅があると教えてもらったんです。高架上に駅があり、地下には廃駅があるという二重構造でお話作りが進んでいきました」と述懐。韓国の10代に向けた作品であれば、シンプルな構造にする必要があると考えていたそうで「脚本協力の白石さんがシンプルな構造に組み直してくれて、そこに脚本のイ・ソヨンさんが入ってくるといった流れ。全編で番号のネタの呪いがかかったり、解けたりするという構造にしました。後半に登場する女の戦い的な部分はイ・ソヨンさんのアイデアです(笑)」と紹介した。
本作の後半で明らかになるストーリーは、戦後まもなくに新宿で起きた寿産院事件をモデルにしている。高橋は「一種の託児所で起きたいわゆるネグレクトの事件です。大量の幼児が死んでしまったことを、呪いの根源の設定にできないかと考え、日本の事件を韓国に置き換えてみました」と語り、「白いワンピースの女性が線路に飛び込むのを目撃したことがあったんです。女性が最後に見たのは自分だということがすごく怖くて、今でもずっと恐怖が残っています。自分の中でふくらんだ妄想を取り入れ、そこからシンプルにしていく工程を経て今の形になりました」と明かした。
日韓の映画作りの違いを尋ねられた高橋が「そもそも日本では実名の駅で飛び込み事故などを扱った作品は作れません。激怒されてしまいます」と述べると、古澤も「『オトシモノ』は千葉のニュータウンで撮影しました。赤字路線だったので、協力的だったのはありがたかったけれど、カメラも線路に降りちゃいけないなど、制約はかなり厳しかったです。でも、ホームドアがなかったから、物語は起こしやすかったと思います」と続く。
韓国の駅には遺体を入浴させて清潔にする湯灌師(ゆかんし)がいることに驚いたという高橋と古澤。古澤は「そういう仕事があることに、土着的なリアリティを感じました。頭で考えたフィクションじゃない気がして。人生の先輩的な人が身も蓋もないことを言うところもすごく面白かったです」と感想を伝える。
韓国では本作が“「リング」っぽい”という感想コメントが多くあることに話が及ぶと、同作の脚本を担った高橋は「オクス駅は漢字で書くと“玉水駅”。いい水が湧く場所という意味になります。オクス駅建造のために埋め立てをした場所だから、監督も井戸を登場させて『リング』っぽい感じでやってくれたんだと思います」と話す。古澤は「Jホラーが好きだというのが伝わってくる描写がいろいろなところにあります。目配せを感じるというのかな。観客も韓国では日本とは違う受け止め方があるのかなと思います」と言及した。
映画「オクス駅お化け」60秒予告編
高橋洋の映画作品
リンク
島鉄@はにわ会 @pentaro1129
白石晃士さん、脚本協力してるのか。
韓国の駅に湯灌師がいるの気になるな。
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