映画「
ジャズミュージシャンで、エッセイストとしても活動する
エンディング曲を手がけた南、劇中音楽を担当した魚返明未も参加した同イベント。まずは南がエンディング曲「Nonchalant」を演奏し、観客から大きな拍手が送られた。続いて池松と冨永によるトークショーがスタート。本作のキーワード「ノンシャラント」についてMCから尋ねられた冨永は「原作には、南さんのお師匠であるピアニスト・宅孝二さんが『この言葉は日本語に翻訳しにくい』と言っていたと書いてあって。まあ、音楽はもっと気ままにやるものではないかと若い南さんを諭したそうです。これは南さんにとって大事なエピソードだと思い、映画の中に入れました。佐野史郎さん演じる先生が(ノンシャラントな演奏の)お手本を主人公に見せるんですが、弾いている手は南さんの手なんです」と述べる。
半年掛けて「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を習得した池松は「音楽監修に入ってくださった鈴木(結花)さんに週1回習って、あとは家で練習していました」と言い、練習にはかなり苦労したと話したうえで「劇中に『俺はいったい何をやってるんだ』というセリフがあるんですが、毎日そう思ってました」と笑いながら振り返った。冨永は「猛練習をしてくれているのは知ってましたが、あまり様子を見に行かないようにしていました。でも撮影の段階になって、ここまでできるようになっているとは、と。本来は、劇中で使う音は魚返くんが弾いた音にして、壮亮くんには指のお芝居をやってもらうつもりでした。でも音のほうも完璧になっていて、魚返くんから『この音で使えますよ』と。それで現場で同時録音することになったんです」と経緯を説明した。池松は会場のピアノを前にして「今日も弾きたかったけど」と言いつつも、MCから弾くように促されると「撮影から1年経ってるので!」と照れながら辞退した。
サックス奏者である松丸のキャスティングに関して、冨永は「2年くらい前に、契くんが入っているバンド・SMTKとDos Monosのミュージックビデオの撮影で知り合ったんです。そのときに契くんがサックスを吹いているのを見て、めちゃくちゃかっこいい人がいるなと。その後ライブを見に行くようになりました。あるときライブ終わりに『映画に出て』とお願いしたら、『はい!』とすぐ言ってくれて。ライブ後のミュージシャンは機嫌がいいので、いいタイミングに言ったなと思います(笑)」と回想する。池松は「映画を観ていただければわかりますが、俳優に出せない空気って絶対にあるんです。作り物じゃない、その人自身が持つオーラみたいなものでしょうね。ピュアでいいエネルギーを映画に注いでくれました。それに目の前でサックスを吹かれると、とんでもなくて」とたたえた。
池松と松丸が参加した路上のセッションシーンが話題に挙がると、池松は「僕はあのシーンが一番好きです」と力強く言う。冨永が「魚返くんと契くんの即興セッションを録音しました。壮亮くんは魚返くんの演奏をじっと見て、撮影になったら魚返くんが弾いたように演じました。練習時間もないのによくできたなと思います」と言うと、池松は「“太鼓の達人”みたいに音とタイミングさえ合っていればいいだろうと思って演じてたんですよ(笑)」と茶目っ気たっぷりに答えていた。
トークショー後には、魚返と松丸がセッションを実施。「ゴッドファーザー 愛のテーマ」や劇中曲を披露して観客を大いに楽しませた。
「白鍵と黒鍵の間に」は10月6日より東京・テアトル新宿ほか全国で公開。
映画「白鍵と黒鍵の間に」特別映像 ジャズ・セッションB ver.
映画「白鍵と黒鍵の間に」予告編
池松壮亮の映画作品
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KOMA@珈琲屋のニョーボ @okoma3
劇中のゴッドファーザーは池松さんが弾いてるんだ♪ これは楽しみ😊🤗 https://t.co/MbELm20lz0