映画「
永井愛の戯曲をもとにした本作では、家族問題に頭を悩ませる神崎昭夫が生き生きと暮らす母・福江に感化され、見失っていたものに気付いていくさまが描かれる。吉永が福江、大泉が昭夫、永野が昭夫の娘・舞を演じたほか、福江や昭夫を取り巻く人物に宮藤、田中、YOU、枝元が扮した。
123作目の出演となった吉永は「60年以上、健康だったからここまで来られたと思いますし、素晴らしい監督やスタッフ、キャストの皆さんに引っ張られながら来られて感無量です」と心境を口にする。そして「本当はここで(役者業を)辞めようかなと思っていたんですが、“123(いちにいさん)”で外に飛び出すような数字なので、もう少しやってみようと思います」と決意を述べると、観客も登壇者たちも拍手を贈った。
大泉は吉永と親子役での出演が決まった当初、「吉永小百合から大泉洋は産まれない」とコメントしていたが「今や母としか思えない。『吉永小百合からは大泉洋しか産まれない』と思っていますよ」と前言撤回。「これからも小百合さんが続けるということであれば、どんな映画であろうが息子は私であってほしい。息子が出てこなくても裏設定では私が息子。違う役者がやるっていうなら決闘ですね!」とまくしたてるが、当の吉永は「よく考えてみます」とほほえみ、快諾には至らなかった。
吉永は「(大泉が)ふてくされてソファで寝てしまうシーンで、お尻をポンとたたいたとき、ああ息子だなと思いました。ムチムチしてかわいいんですよ」と撮影を振り返る。永野に対しては「芽郁さんの映画はたくさん観ていて、素晴らしいお芝居をなさりますよね。芽郁さんは8歳から子役をやっていらして、私は11歳から。そのあたりは負けていますね(笑)」と絶賛。永野は恐縮しながら「私も123作品目指してがんばります!」と意気込んだ。
舞台挨拶では「今後新しくやりたいことは?」というトークテーマも。吉永は「スポーツが好きなものですから、太極拳を習って、映画の中でやってみたいです。監督が『空手のほうがいいんじゃないか』とおっしゃったんですけど、それはできない」と願望を語る。また田中が「毎日が新しいから、改めて新しさを求めてない気がします。1回ぽっきりの人生を、いつも『新しい』と捉えて生きているので、それが『新しい』ということでしょうか」と哲学的な回答をすると、登壇者たちは皆かしこまったような表情に切り替わり、その後の回答者たちは冷や汗をかきながら発言することとなった。最後は本作を代表して、山田が「映画館の暗闇で、知らない人たちと一緒に笑ったり涙を拭いたりして、これが映画なんだと改めて認識してもらえる機会になればと思っております」と呼びかけた。
「こんにちは、母さん」は全国で上映中。
真珠 @mieko__0606
大泉洋、吉永小百合との親子役は譲らない「どんな映画であろうが息子は私」(写真16枚) https://t.co/95gQc3DSpF