映画「
本作は、1975年にエベレストの女性初登頂に成功した登山家・田部井淳子の実話をもとにした物語。彼女をモデルにした主人公・多部純子が、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続ける姿が描かれる。純子を吉永、純子を支える夫・正明を佐藤が演じ、純子の盟友でエベレスト登頂時の相棒でもある北山悦子役で天海、青年期の純子役でのんが出演した。
本作が124本目の出演映画となった吉永は「昔はこのような初日舞台挨拶がなかったんですが、最近はステージに上がらせていただくことが多く、次の日を考えてドキドキしている毎日です」と挨拶。「3年ほどかかりましたが、ようやく皆様のお目にかけられてうれしいです」と笑顔を見せる。そして天海は「偉大な女性を偉大な女性が演じた映画です」と切り出し、「1人では生きていけないということをつくづく感じられる、素敵な映画になっています」とアピール。のんも「吉永さんと田部井さんが重なって、お2人のパワーが膨れ上がっています。観ると人生が豊かになる映画です」と続けた。
イベントでは「あなたにとっての“てっぺんの向こう”には何がある?」をテーマにフリップトークを展開。天海は「自分」と回答し、「いつまで経っても自分との戦いです。毎作品、自分の才能のなさにぶつかって『ダメだ』と思わされる。皆さんもそうじゃないですか?」と吐露。横でうなずく吉永から「『次はもうちょっとよくなる』『もっと成長できる』とこの年齢でも思わされます」と同意されると、天海は「“俺最高”ではなく、“悔しいからもう1回やろう”という気持ちが大事ですよね」と言葉に力を込める。
続いて「てっぺん」と書かれたボードを見せる佐藤が「45年ほど映画の世界に生きていますが、『そこそこ登ったかな』と思っていてもまだ“てっぺん”がある。いくら歩めど頂上に行けないんです。『てっぺんの向こうにはてっぺんがある』という気持ちです」としみじみ。吉永と夫婦役で共演した感想を問われると「まさかまさかですね。きっとご一緒することはあるかもしれないと思っていたけれど、夫婦役とは。きっと亡き三國連太郎も予想していなかったでしょう」と父の名を挙げつつ感慨に浸る。「お布団」と答えたのんは「毎日一生懸命仕事をしていますが、『おうちに帰ったらいっぱい寝よう。三度寝くらいするぞ』という気概で臨んでいます。直感で書いたのですが、趣旨と違った……?」と不安げな様子を見せるが、観客からは温かな拍手を贈られていた。
多部家の長女・多部教恵役の木村は「仲間」と書かれたフリップを見せ、「自分の人生で“てっぺん”を見たことがあったかな?と思い、難しい質問でしたが……。いつもゴールテープを引いて待ってくれる仲間がいるからこそ、仕事をがんばるかいがあるなと思えます」と言葉を紡ぐ。同じく多部家の長男・多部真太郎役の若葉の印象を問われると、「弟と話しているのかと思えるくらいナチュラル。人見知りしない性格はどこから来るの?」と若葉に質問。若葉は「いや、僕も人見知りですよ! そんな自分が嫌で、一生懸命しゃべるようになりました」と応じたのち、木村の回答と似た「友達」と書かれたフリップを見せながら「“姉弟”らしくてよかったですね」と胸を張った。
さらに青年期の正明を演じた工藤が「甥っ子」、青年期の悦子役を担った茅島が「母親」と発言する中、「匿名」と答えた阪本は「SNSで罵詈雑言を書かれて傷付くこともあるけど、みんなお金を払って観に来てくれているんですよね。だから僕にとっては“てっぺんの向こう”にいる人たちなんです」とコメント。吉永は「観客の皆様」だと言い、「今日は雨ですが、初日に観に来ていただく人がこれだけいることが本当にうれしい。この映画は若い人も楽しめますし、私たちの世代も『これからしっかり生きていこう』という思いになれる作品なんです」と改めて本作の魅力を訴えた。
「てっぺんの向こうにあなたがいる」は全国で公開中。

アムール・タカラヅカ @AMOUR_TKRZKA
【イベントレポート】あなたにとっての“てっぺんの向こう”は?吉永小百合・佐藤浩市・天海祐希・のんら回答(写真25枚) https://t.co/3zGWz0rMbB