6月16日にオープンする、東京の映画館Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下。同劇場の内覧会が本日6月14日に行われた。
Bunkamuraル・シネマが入っていた複合文化施設「Bunkamura」の休館に伴い、渋谷TOEIの跡地に開業するBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下。渋谷東映プラザの7階と9階にシアターが設けられており、それぞれ268席、187席が用意されている。7階のスクリーンは35mmフィルム上映、4K上映に対応した仕様だ。
各階ロビーには、Bunkamura休館により一旦営業終了しているカフェ「ドゥ マゴ パリ」が、小さなスタンドカフェになって登場。名物のタルトタタンはプチサイズにリニューアルされ、軽食メニューには「LES DEUX MAGOTS フィナンシェ」「LES DEUX MAGOTS マドレーヌ」なども並ぶ。アートショップ「NADiff」による特別なキュレーションがなされたブックストアも併設された。そしてロビースタッフのユニフォームにはファッションブランド「ZUCCa」の設立者・小野塚秋良が手がけた「HAKUI」のコートが採用されている。
“影色”のカーペットが敷き詰められたロビーの内装は、中山英之建築設計事務所が担当。中山英之は「ここにいる誰よりも、僕がこの映画館がオープンしているのを喜んでいるんじゃないかというくらいです(笑)。学生の頃からBunkamuraに通って、ドゥ マゴ パリでお茶をして、NADiff modernで本を買って、ル・シネマで映画を観て……と青春の場所なんです」と思い入れを語り、「僕が唯一やったと言ってもいいお仕事は、ロビーの床面です。映画祭と言えば思い浮かべるのはレッドカーペット。なんでもない場所にカーペットが敷かれてファンや報道陣が来るだけで、映画を愛する人たちの空間が現れますよね。この映画館は(Bunkamura休業中の)たった5年です。内装を大きく変えて設備も全部やり直すといった、ゴミがたくさん出るような大掛かりなことをする時代ではないという思いがありました」と元の内装をできるだけ生かしたデザインにしたと説明。そして「映画は光の芸術。光の芸術を一番際立たせるのは影ということで、黒い“影色”のカーペットを敷きました。映画を楽しむ人が集まると、期間限定の映画館が生まれるということです」と続けた。
シアター前には時計が置かれており、上映開始時間と終了時間が一目でわかるような工夫がされている。これも中山らと劇場スタッフのやり取りから生まれたそうで、中山は「今後も、コミュニケーションを取って手作りで内装を変えていければと。通ってくれるお客さんに『初めて来たときの内装と変わった』と思っていただけるような実験になればいいですね」と展望を語る。
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下の中村由紀子は、「1989年9月3日にBunkamuraがオープンしてから編成に携わってまいりました。オープン当時、渋谷はミニシアター全盛期で、各館が競い合い、また協力もいたしました」と回想。「渋谷TOEI様の跡地を引き継ぎ、渋谷駅からもっとも近い映画館としてオープンを迎えます。Bunkamuraが新たな場を得て、不安を抱えつつも新しいお客様に出会える期待に、スタッフ一同胸を弾ませております」と明るい表情で挨拶をした。
こけら落としを飾る特集「マギー・チャン レトロスペクティブ」、特集上映「ミュージカルが好きだから」はともに6月16日にスタート。
※「HAKUI」のIはトレマ付きが正式表記
※記事初出時、「マギー・チャン レトロスペクティブ」「ミュージカルが好きだから」の開始日に誤りがありました。お詫びして訂正します。
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昨年に渋谷駅前にオープンした映画館「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」のスタッフ様ユニフォームに、小野塚秋良氏デザイン「 #HAKUÏ( #ハクイ )」のコート(RA6774-8)を採用していただきました。 #ユニフォーム #小野塚秋良 #渋谷 #Shibuya #Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下
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