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自身のアイデンティティに葛藤しながら成長していくクルド人の少女サーリャを演じ、山路ふみ子映画賞、報知映画賞、毎日映画コンクール、キネマ旬報ベスト・テン、高崎映画祭などで新人賞を受賞した嵐は「お芝居の基礎からクルドの文化まで、たくさんのことに触れてきて、たくさんの学びを得ました」と語る。
本作のオーディションで初めて嵐と会った川和田は「会う前に思っていた、すごく華やかな子だなという印象は今も変わっていないんですけれど、さらに一緒に過ごした時間の中で、こんなに気さくな子なんだなとわかって。いろんなことで笑い合える関係になれたのはうれしいです」と述懐。「そして何より、やっぱりお芝居になったときに見せてくれる表情ですね。お芝居では、会う前に想像していたのとはまったく違う強い魅力を見せてもらえたなと思っています。莉菜さんのお芝居を信じて、一緒に最後までいくことができました」と嵐への信頼を明かした。
また、川和田が「釜山国際映画祭では、莉菜さんと2人でレッドカーペットを歩いたことが一番の思い出」と話すと、嵐も「韓国の方々がすごく温かく優しい笑顔で迎え入れてくれて。Q&Aでは、とても集中して大切にこの作品を観てくださったんだなあと感じる質問もたくさんいただけました。素晴らしい光景を見られたので、連れて行ってくれた監督には感謝しています」と振り返る。
川和田が所属する映像制作集団「分福」を率いる
川和田は「企画の最初から是枝監督が応援し続けてくれたおかげで、5年以上かかったんですが、実現することができました。本当にありがとうございました」と感謝。是枝は「ずいぶん時間がかかったので、もっと早くできればよかったなあとは思っているんですけど、考えようによっては、時間がかかったことによって、この作品が嵐さんと出会えたというふうにも考えられる。やっぱり、そういう出会いに恵まれて、生まれるべきタイミングで生まれた作品が強いんですよね。そういう意味では、この作品は本当に強い、いい映画になったんじゃないかなと思っています」と応える。そして「デビュー作でこれだけ注目を集めるというのは、もちろん本当に作品が素晴らしいこともありますが、いろんな人の縁に恵まれているからだと思います。この次だよね。2人とも、今回の受賞がピークじゃない形で、この先のキャリアを重ねていってほしいと思っています。1作1作、前へ進んでください」とエールを送った。
「マイスモールランド」の凱旋上映は2月24日まで。川和田は「この映画作りを通して、とても大きなものをもらったので、それをどう次につなげて作っていくかを、これから考えていきたいなと思います」と抱負を述べつつ「本作は自分にとって、これが最初で最後になっても絶対に作る!という思いを持ってきたものです。この作品をもっと届けたいという気持ちも強いので、まだまだ多くの人に伝えていきたいなと思っています」と吐露。嵐は「川和田監督と皆さんと作り上げた作品が、こうして大切に長く興味を持っていただけることが何より幸せ。自分にとって、本当に人生が変わった大切な作品です。川和田監督とまたこの場に立てるように、私もがんばっていきたいなと思っています」と、未来を見据えた。
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【イベントレポート】「マイスモールランド」嵐莉菜、川和田恵真に是枝裕和がエール「1作1作、前へ進んで」
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