ドキュメンタリー映画「
東日本大震災で全校児童の7割に相当する74人の児童と10人の教職員が命を落とした宮城県石巻市の大川小学校。近くに裏山があるにもかかわらず児童たちが校庭にとどまった理由と惨事の真実を知るため、遺族が市などを提訴した裁判が行われた。本作は10年間にわたって答えを探し続けた親たちと弁護団の姿を記録したドキュメンタリー。予告には地震当日の出来事を検証する遺族や、市による会見の様子などが収録された。裁判で遺族の代理人を務めた弁護士の吉岡和弘、齋藤雅弘によるコメントも下記に掲載している。
吉岡和弘 コメント
私たち訴訟代理人は、「裁判」という厳格なルールの前に、遺族らが提訴に至る想い等を十分に裁判に反映できずにいたことを悔やみ続けてきました。原告ら遺族は、求めた裁判像と現実の裁判との間に深いギャップを感じたことだと思います。
寺田監督は、そうした私たち代理人の忸怩たる思いを払拭させるかのように、裁判に挑んだ原告ら遺族らの未燃焼の心情を的確に映像化してくれました。
「高裁判決」と、映画「生きる」の二本立て上映。これを観た原告ら遺族は、やっと「裁判をやって良かった」との思いに浸ってくれるのではないかと密かに期待しています。
齋藤雅弘 コメント
褒め上手な吉岡さんに背中を押されて、この裁判を一緒に取り組んできました。原告の皆さんもおそらく、吉岡さんの敷いたレールに沿って、こうして裁判を闘ってこられたんじゃないかと思います。
映画の最後の方に私が恥ずかしい姿をお見せするシーンがありますが、今でもこのような結果が出るまでの間、原告遺族の皆さんが本当に苦労されてきたことが、記憶の中に鮮明に浮かび上がってきます。
この映画の映像を何回観ても、少しうるうるしてしまうようなことを原告遺族の皆さんは重ねてきた、そういう努力がこの映画の土台というか、画面の向こう側に、広くて深い世界が広がっているんだということを、ご覧になった方が少しでも感じていただければ幸いです。
Ko-Z @particolare1964
津波裁判を闘った遺族と弁護士の10年の記録「生きる」予告公開 - 映画ナタリー https://t.co/E1mh9YByQu