日本映画製作者連盟(映連)による新年記者発表会見が本日1月25日に東京都内で開催。2021年の年間興行収入は2000年以降で2番目に低い1618億9300万円という結果となった。
これはコロナ禍の影響で最低だった前年比113%という数字。興行収入の構成比は邦画が79.3%という過去最高のシェアを記録した一方で、大作の公開延期や配信公開が相次いだ洋画は20.7%という結果に。邦画の成績だけを見ると、興行収入による統計が始まった2000年以降で第3位の好成績だ。映連の会長を務める島谷能成(東宝代表取締役社長)は「邦画は順調に回復しつつある」「洋画は悪かった昨年をさらに下回る結果になった」と補足する。
邦画の興行収入10億円以上の番組は前年より11本増え計32本に。最高は102.8億円の「
過去最高の興収である2019年の2611億8000万円と比べると、2021年の1618億9300万円は約62%という数字だ。島谷は所感として「まだまだ回復の途上。最大の原因は洋画の落ち込み。期待していた大きな洋画が公開延期や配信などで、映画館での公開ができなくなった。全国の映画館市場、興行会社にとって非常に厳しい2年間だった」と語る。一方で2022年の正月興行は洋邦、実写アニメを問わず好調なスタートを切っていることを報告。「ファミリー映画から大人の映画まで、今年は老若男女に楽しんでもらえる映画がたくさんある。言いようによっては映画界の当たり年。これらの作品がいい形でお客様に届くよう心から願う次第です」と続けた。
2021年の公開本数は邦画490本、洋画469本の計959本。それぞれ前年より16本減、42本減で、公開本数が1000本を下回ったのは9年ぶり。平均入場料金の単価は1410円と、前年より60円ほど上昇した。4DやIMAX、ドルビーアトモスなどの入場料金が高額になる鑑賞形態が人気だったことに加え、新型コロナウイルスへの警戒からファミリー層やシルバー層など低料金になる入場者が鑑賞を控えたことが理由だと考えられている。入場動員は前年比108.2%の1億1481万8000人を記録。前年より868万1000人増加したが、2000年以降過去最高だった2019年との対比では18%減となっている。
会見では、劇場ではなくNetflixやAmazon Prime Videoなどで最初に公開される新作日本映画が増えている状況に関する質問も。島谷は「競争者とは考えておりません。我々はリアルの映画館でお客さんに観ていただいてから、以降の展開を考える映画製作者連盟。劇場用映画を起点として、そこからすべてが始まるビジネスモデルを続けていこうと思っています」とコメント。「映画を愛する人をたくさん作り出してくださっているし、我々の作品を動画配信でお客様へお届けしてくれる。あるいは我々と配信プラットフォームが組んで、作品を作る場合もある。いろんな形で協業が始まっている。ややぶつかるところもあるかもしれませんが、やがては大きな意味での映像コンテンツの拡大、発展のために一緒にやっていくのが一番自然な流れ」と続けた。
2021年の興行収入10億円以上番組は下記の通り。
2021年興行収入10億円以上番組
邦画
1. 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」102.8億円(東宝 / 東映 / カラー)
2. 「名探偵コナン 緋色の弾丸」76.5億円(東宝)
3. 「竜とそばかすの姫」66.0億円(東宝)
4. 「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」45.5億円(松竹)※
5. 「東京リベンジャーズ」45.0億円(ワーナー・ブラザース)
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洋画
1. 「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」36.7億円(東宝東和)
2. 「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」27.2億円(東宝東和)※
3. 「ゴジラvsコング」19.0億円(東宝)
4. 「モンスターハンター」12.5億円(東宝 / 東和ピクチャーズ)
5. 「エターナルズ」12.0億円(ディズニー)
※「※」印は現在上映中
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なぜ洋画が落ちて邦画が上がっているのかまだ十分な分析はないんだけど、日本のスタッフが日本の観客に向けて映画を作り、その収益で世界に売り出す普遍的な作品を作る環境を整える絶好の状況なんですね
2021年映画興収は邦画が約8割の過去最高シェア、洋画の落ち込み顕著 https://t.co/0S2lQsY9PH