スターリン体制下の恐るべき監視社会描く「DAU. ナターシャ」予告編

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第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した「DAU. ナターシャ」の予告編が、YouTubeで公開された。

「DAU. ナターシャ」

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イリヤ・フルジャノフスキーエカテリーナ・エルテリが監督を務めた本作は、「ソ連全体主義」の社会を完全に再現する「DAU」プロジェクトの映画第1弾。秘密研究都市にあるカフェで働く主人公ナターシャの目を通して、スターリン体制下の恐るべき監視社会を描く。予告編には、ナターシャと彼女の同僚コーリャがカフェで働く様子や、研究所に関わる人々が華やかな祝宴を繰り広げる様子などが切り取られている。

「DAU. ナターシャ」

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フルジャノフスキーは「ソビエト連邦以降の世界には、犠牲者または加害者、あるいはその両方がいない家族は存在しません。それこそがソビエトのトラウマです。ソビエトが残した病は記憶喪失です。誰もが覚えておきたいことだけを覚えています」とコメント。「この記憶喪失を克服しない限り、それは何度も何度も繰り返されます。意識的に覚えていないのかもしれませんが、魂は覚えています。反省し二度と繰り返さないための努力をしない限り、何度でも同じ経験をすることになるでしょう」と語る。

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また、当初メイクスタッフとしてプロジェクトに参加し、のちに編集も担当することになるもう1人の監督エルテリは、撮影現場から作品に関わっていたことについて「大きなアドバンテージがあったと思います」と述懐。「私は少なくとも500時間の映像を乗り越えて、ナターシャについての伝えたいストーリーを見つけました。彼女は困難な生活を送ってきました。彼女が発する言葉のすべてにそれを感じることができます。とても孤独で傷付きやすいように見えるにもかかわらず、タフな行動を取った彼女に感動しました。その硬い殻の中に隠された憧れ、希望、絶望、そして強さの層を見て、これを共有したいと思ったのです」と振り返った。

「DAU. ナターシャ」は2月27日より東京のシアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国で公開。

※「DAU. ナターシャ」はR18+指定作品

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(c)PHENOMEN FILMS

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