第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した「
フルジャノフスキーは「ソビエト連邦以降の世界には、犠牲者または加害者、あるいはその両方がいない家族は存在しません。それこそがソビエトのトラウマです。ソビエトが残した病は記憶喪失です。誰もが覚えておきたいことだけを覚えています」とコメント。「この記憶喪失を克服しない限り、それは何度も何度も繰り返されます。意識的に覚えていないのかもしれませんが、魂は覚えています。反省し二度と繰り返さないための努力をしない限り、何度でも同じ経験をすることになるでしょう」と語る。
また、当初メイクスタッフとしてプロジェクトに参加し、のちに編集も担当することになるもう1人の監督エルテリは、撮影現場から作品に関わっていたことについて「大きなアドバンテージがあったと思います」と述懐。「私は少なくとも500時間の映像を乗り越えて、ナターシャについての伝えたいストーリーを見つけました。彼女は困難な生活を送ってきました。彼女が発する言葉のすべてにそれを感じることができます。とても孤独で傷付きやすいように見えるにもかかわらず、タフな行動を取った彼女に感動しました。その硬い殻の中に隠された憧れ、希望、絶望、そして強さの層を見て、これを共有したいと思ったのです」と振り返った。
「DAU. ナターシャ」は2月27日より東京のシアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国で公開。
※「DAU. ナターシャ」はR18+指定作品
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