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「レディ・バード」「ミッドサマー」で知られるA24が製作した本作では、ある夜を境に幸せな日常を失った兄妹を軸に、傷付いた者たちの苦難と再生が描かれる。ケルヴィン・ハリソン・Jr.、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミーらが出演。フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、レディオヘッド、カニエ・ウェスト、アニマル・コレクティヴらによる31の楽曲が使用されている。
ダニエルズは、主人公の高校生タイラーと恋人のアレクシスがビーチで過ごすシーンについて「奇跡のような1シーン」と述べ、その裏側を明かす。黄昏時の情景で撮影をしようと、俳優とスタッフが水中に入って撮影ポイントに移動したものの、日が落ちかけて光が消える寸前だったという。ダニエルズは「ですがその直後、日が完全に落ちる直前の少し青みがかった空にピンク色が混じり、稲妻の嵐が離れたところで光っている瞬間が訪れ、その最高に美しい一瞬をカメラに収めることができたんです。嵐と雷が迫る中で、水の中にいるのがギリギリ危険ではない最後の瞬間だったんですが、全員の力と素敵な偶然によって魔法のようなシーンを撮ることができました」と当時を振り返った。
本作について、シュルツは「ドリューと僕が目指したのは、タイラーやエミリー(タイラーの妹)のありのままの姿を映し出している、主観的で表現主義的な没入型の映画を作ることだった。アスペクト比や360度カメラは、登場人物の頭の中に入り込んでもらうのが狙いだった」とコメント。例として、冒頭のタイラーとアレクシスのシーンでは360度カメラを回転させていることを挙げ、「あれはタイラーの感情、2人の関係、10代の恋を表しているんだ。自由で美しく、少しだけ恐怖もある。タイラーとアレクシスは、思い切り愛し合っていて、思い切り喧嘩もする。若くて、自由で、ワイルドで、美しい2人だから、生の感情や恋心を表現するには、カメラを回すしかないと思ったんだ」と意図を話している。
「WAVES/ウェイブス」は、7月10日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
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tAk @mifu75
「WAVES/ウェイブス」撮影監督が偶然撮れた魔法のようなシーン語る(コメントあり) https://t.co/xkpUq2XF3q