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「巡礼の約束」監督と主演俳優が来日、チベット族の“約束”に対する覚悟語る

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「巡礼の約束」トークイベントにて、左からヨンジョンジャ、ソンタルジャ。

「巡礼の約束」トークイベントにて、左からヨンジョンジャ、ソンタルジャ。

巡礼の約束」のトークイベントが本日12月10日、東京・日比谷図書文化館コンベンションホールで行われ、監督のソンタルジャと主演兼プロデューサーのヨンジョンジャが登壇した。

「巡礼の約束」は、日本初のチベット人監督による劇場公開作「草原の河」で知られるソンタルジャの新作。チベット仏教の聖地ラサへ巡礼の旅に出ると決めた妻、彼女を追って旅に出た夫、妻と前夫の間に生まれ旅に合流した息子の物語が描かれる。

脚本を執筆する際、人物を思い浮かべながら当て書きするというソンタルジャ。本作でも夫ロルジェ役としてヨンジョンジャを思い描きながら取り組んだそうだが、最初のオファーでは拒否されたと明かす。ヨンジョンジャは断った理由を「自分には演技経験がなかったから。そして脚本が好きだったから、私が主演することでかえって悪くなるんじゃないかと不安になったのです」と告白。しかし、その後オファーを受け入れ演技に初挑戦したヨンジョンジャは「映画を観た方々が、私の演技に対して『よかった』と言ってくださって安心しました」と安堵の表情を浮かべる。

またソンタルジャは「撮影中、ヨンジョンジャさんの演技を褒めたことがありませんでした。子役がどれだけうまいかずっと話して、撮影が全部終わってから初めて『いい演技でした』と伝えました」といたずらっぽくほほえんだ。ヨンジョンジャは「私の演技どうですか?と聞くと、『まあまあだね』と。私より子役のほうが上手、私より妻を演じた役者のほうが上手、さらにはロバも上手だとずっと言われていました(笑)」と回想。さらに「子役や動物を相手にする演技が一番難しいと、撮影が終わってから聞きました。監督は悪い人ですね!」とソンタルジャに言い返す場面も。

本作では登場人物たちが、さまざまな思いを抱えながら決死の覚悟で五体投地による巡礼に臨む。ソンタルジャは「チベット族にとって、約束を守ることは非常に大事。チベット族は口で伝える方法で約束を守っていく。映画の中で、子供のノルウがロルジェに『ラサへ巡礼に連れて行くって言ったじゃないか』と言う。それは、口にしたからには守ってもらわなきゃ困ると言う意味合いがあります」と説明。ヨンジョンジャは「場合によっては約束を守るのが難しいこともあります。『ラサへ巡礼に行く』なんて非常に重い意味を持つから、軽々しく約束はできません」と語り、登場人物たちの並々ならぬ覚悟をうかがわせた。

チベットの風景や文化にも触れられる本作。ヨンジョンジャは「チベット高原に住んでいる人も、皆さんと同じような感情や愛を持っていると知ってほしいです」と日本の観客にメッセージを贈る。ソンタルジャは「今作も劇場公開してもらえることになり、日本は私にとって縁起のいい国。次の作品もがんばって作ります」と意気込んだ。最後は歌手として有名なヨンジョンジャが生歌を披露し、映画を観終えたばかりの観客を喜ばせた。

「巡礼の約束」は2月8日に東京・岩波ホールほか全国で順次ロードショー。

(c)GARUDA FILM

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