企画展「キネマ旬報創刊100年記念 映画イラストレーター 宮崎祐治の仕事」が東京・国立映画アーカイブにて開催中。4月23日にプレス向け説明会が行われた。
2019年に創刊100年を迎える映画誌キネマ旬報を中心に、40年以上にわたって活躍してきた映画イラストレーターの宮崎祐治。原画約100点を中心にしたこの展覧会では、映画の魅力を引き出す宮崎の仕事がまとめて紹介されている。
まずは、宮崎がこれまでに描いてきたさまざまなジャンルの映画イラストを、アーティストの中澤綾香が壁面にちりばめて展示したコーナーが。映画に登場するキャラクターたちが、年代や洋邦を問わず目の前に広がる空間となっている。「ダーティハリー」の銃を構えたクリント・イーストウッドが描かれた大型パネルの前では、写真撮影も可能だ。
イラストレーターの和田誠に憧れていた宮崎は、和田の影響で映画好きに。武蔵野美術大学デザイン科在学中に、キネマ旬報の読者ページ「キネ旬ロビィ」に和田の連載タイトル「お楽しみはこれからだ」をもじった「お楽しみはこれだけだ」を投稿する。これが1975年に初掲載されて以降10回掲載され、「映画街路図」と名前を変えて8回載ったあと同タイトルのイラストレーション作品が2月下旬決算号に毎年レギュラー掲載されるようになり、2019年で43回目を迎えた。「『映画街路図』とともに」と題されたセクションでは、「映画街路図」の原画などを見ることができる。
「映画館の仕事」セクションでは、キネマ旬報に掲載されていた東京・池袋の名画座である文芸坐(現:新文芸坐)の広告をはじめ、チラシやポスター、チケット、パンフレット、宮崎が看板とロビーのイラストを手がけた広島の名画座・夢売劇場サロンシネマの写真などが展示された。
「映画地図の仕事」セクションでは、土地と映画の関わりをまとめたライフワーク「映画地図」シリーズを中心に、「季刊映画宝庫」の付録で、1978年に手がけた「徹底映画地図ニューヨーク+アメリカ」なども飾られた。当時の宮崎はニューヨークに行ったことがなかったが、後年訪れた際に自ら描いた地図を片手に街を巡ったという。「映画地図」シリーズは、映画ファンならずとも街の歴史を知る資料として楽しめる。
「映画カレンダーの仕事」セクションでは、1993年に自費で作ったカレンダーが好評を得て、その後も形を変えて作っていったカレンダーの数々が紹介された。コダックがスポンサーとなった1995年のカレンダーは1日に1枚のイラストを描いた渾身の作となっており、完成までに1年以上かかったという。
「映画イラストレーション アトランダム」のセクションでは、テレビCMや番組ディレクターという本業の視点が生かされた撮影現場のイラストルポルタージュ、宮崎がイラストを担当した書籍、さまざまな媒体で発表したイラストをまとめて見ることができる。粘土で作られた未発表の立体作品や未発表イラストも。「イラストを見た人が、その映画を観るきっかけになればうれしい」と語る宮崎の映画愛にあふれたイラストから、新しい映画と出会ってみては。
「キネマ旬報創刊100年記念 映画イラストレーター 宮崎祐治の仕事」は8月25日まで開催。期間中に行われるトークショーには、宮崎、映画評論家の渡辺祥子、キネマ旬報編集者の前野裕一、映画監督の
キネマ旬報創刊100年記念 映画イラストレーター 宮崎祐治の仕事
開催中~2019年8月25日(日)東京都 国立映画アーカイブ 展示室
※休室日:月曜
開室時間 11:00~18:30(入室は18:00まで)
※毎月末金曜は11:00~20:00(入室は19:30まで)
料金:一般 250円 / 大学生 130円 / シニア・高校生以下および18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
※5月1日(水・祝)、5月18日(土)は無料
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↓あまりにひどいので検索してしまった。宮崎祐治氏。
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