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本作は、橋爪と吉行演じる熟年夫婦と、2人に振り回される家族を描く「家族はつらいよ」シリーズ第3弾。最新作では「主婦への讃歌」をテーマとし、夏川演じる主婦・史枝の家出騒動が描かれる。2013年公開の「東京家族」から4度目のチームとなるキャスト陣を眺めた山田は「撮影中に皆さんの気持ちが、いいハーモニーを奏でる場面が何度かあった。年月がものを言っているんだろうと思いました」と感慨をにじませた。
撮影時の印象深いエピソードを問われたキャスト陣。林家は、山田からマスクを外す演技について何度も指導を受けたと言い、「100回ぐらいマスクを外したと思う。『君はどういう気持ちでマスクを外すんだ! 指がちゃんと物語らないとダメなんだ!』と。それ以来マスクをするのをやめました」とこぼし、観客の笑いをさらった。苦労したシーンを問われた西村が「どこかと言われるとパッと出てこないほどいろいろあるんですが……この場を借りて言いたいことは本当に、史枝、ごめんなさい」と自身が演じた幸之助の気持ちを代弁するように深々と頭を下げると、夏川は「いいんだよ」と返す。そんな2人のやり取りを山田は笑顔で見つめていた。
本作でフラメンコに初挑戦した夏川は、台本をもらって初めて自分が踊らなければならないことに気づいたと言い、山田に向けて「書く前に一度ご相談いただきたいな」とチクリ。すると、突如として劇中にも出演するフラメンコ講師・佐藤浩希と女性ダンサーたちが踊りながら登場し、登壇者と観客を驚かせた。佐藤は踊りの経験がなかったという夏川の特訓の模様を思い返し、「『全然先が見えない……』とおっしゃることもあったんですが、それでも少しずつ上達されました」と語る。山田が「まあかわいそうなことを」と淡泊につぶやくと、夏川は「監督が(脚本に)書くから!」と苦笑した。
イベントでは佐藤とダンサーの“指導”のもと、登壇者と観客がフラメンコの掛け声を練習する場面や、男性キャストが女性キャストにバラの花をプレゼントする一幕も。最後に山田は「映画を観終わって帰るときに、自分の家族や日本人の暮らしは幸せなのかと考えてみたり、家族で話し合ったりできるような映画であればと心から願っております」と語り、会場をあとにした。
「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」は全国で公開中。
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