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本作は、大手銀行のエリートコースを外れ定年を迎えた男・田代壮介を主人公にしたコメディ。館が壮介を演じ、美容師として忙しく働く壮介の妻・千草に黒木瞳が扮する。
舘は「大変ネガティブなタイトルですが、内容は極めて楽しいコメディで、夢のある作品に仕上がっていると思います」と、黒木は「私もまもなく定年を迎える夫がおりますので、疑似体験のつもりで学ばせていただきました」と挨拶。「あぶない刑事」のファンだったという広末は「まさか小学生の頃に憧れていた舘さんとご一緒できるなんて夢にも思っていなかったので、ひさしぶりに緊張しました」と笑顔で話した。
本作のタイトルを聞いたときのことを、舘は「私自身が終わりに近いので、あんまりやりたくないなと思ったんですけど……(笑)」と赤裸々に振り返る。一方、千草のいとこ・俊彦役の田口は「(ホラー作品で知られる)中田監督が演出されると聞いたときに、“終わった人”っていうのはゾンビか、これはゾンビ映画か!と思った」と笑いを起こす。壮介が思いを寄せる女性・久里役の広末は、舘と黒木が演じた夫婦について「やっぱり終わっていない人がやらないと! 本当に“切ない”キャスティングだと、きっと悲しくて重たい話になってしまうんだろうなと現場でも感じていた」「正直お二人が美しすぎて、こんな夫婦現実にはいないと思ったくらい。でも役作りされたものを観ると、すごく生活感やリアリティが伝わってきました」と絶賛した。
中田は、舘のコメディ芝居に関して「(アルフレッド・)ヒッチコックの映画に出てくるケイリー・グラントのようだと思えてきた。あるシーンではゲイリー・クーパーのようだったし、“浮気もどき”がバレてあたふたするところは植木等のようだった」と回想。それを受け舘は「中田監督は乗せるのがうまいんですよ!」と返した。
「自分が100歳になったとき、何をしていると思うか?」と聞かれた舘は、「死んでます。多分それまで持たないと思います、僕」と即答。この日の会場装飾にちなみ「生前葬をやるとしたらどんな催しにしたいか?」と質問されると「あのね? 生前葬なんて考えたことないよ!(笑)」と回答するも、「いっぱい香典がもらえるならしてもいいかなあ。お金集めに生前葬はいいかも」と考えを変える。記者が「今時、生前葬をやる方も多いので……」と言ったのを聞くと、「多いの? じゃあ俺もやろう」とすぐに宣言した。
本作にカメオ出演している内館は「足を骨折していたので、座ってできる役ならばと喜んでお引き受けした。それで私、素敵なバーで1人ワイングラスを傾けるアンニュイな女役だと、勝手に思い込んでいたんです。でも衣装合わせのときになぜかジャージを渡されて……」と、スポーツジムで血圧を測る女性役だったことを残念がる。「中田監督に『あまりに素晴らしかったからもう1カット出てください』と言われて、舘さんたちをうっとり見ている役も演じたんですが、パンフレットのキャプションを見たら『事務の老人たち』と書かれていて(笑)。こんなにいい映画に出られて、女優冥利に尽きます!」と笑いを誘った。
「終わった人」は、6月9日よりロードショー。なお映画ナタリーでは、このあとに開催された完成披露舞台挨拶の模様も追ってレポートする。
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曽根康弘 @yasu02yasu02
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