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内館牧子の同名小説を映画化した本作は、大手銀行のエリートコースを外れ定年を迎えた男・田代壮介を主人公にしたコメディ。館が壮介を演じ、美容師として忙しく働く壮介の妻・千草に黒木瞳が扮する。
上映前の舞台挨拶に登壇した舘は「本当にネガティブなタイトルなので、このお仕事を受けようかちょっと迷ったんですが、脚本を読んだら本当に面白く仕上がっていた」「年齢的には私、終わっていますので。ギャグでは済まされないわけですから、これはやったら危ないかなという気がしたんです」と赤裸々なトークで場を沸かす。また俳優という職業には定年がないことから、「だからこそ余計に気を付けないと。どこかで自分で切らないといけないなと思っています」と今後の展望を明かした。
そんな舘とは反対に、黒木は本作のタイトルを聞いて「これはギャグだな」と思ったそう。「そこから物語が始まるんだろう、終わっちゃいけないというメッセージがあるんだろうなと思いました」とオファーを受けたときのことを振り返る。舘とは30年以上前からの知り合いである黒木が「お互いに独身の頃から(の付き合い)ね」と語りかけると、舘は「限りなく夫婦に近い友人です(笑)」と返す。またホラー作品で知られる中田は「ホラーのことばっかり考えて生きてるわけじゃない(笑)。大人による大人の映画があってもいいんじゃないか、僕がそれを撮りたいと思った。フリーランスの映画監督は、撮影してないとき映画の中の壮介に近いところがあって、親近感が湧きました」とこの映画化に踏み切った理由を語った。
舘は本作での苦労を聞かれ、「監督からはとにかく、情けなく、ダサくと言われまして。僕はわりとどんなスーツでも似合っちゃうんです。だから衣装部でスーツを選ぶときは、カッコ悪いスーツを選ぶのが大変でした」とあっさり話して笑いを起こす。壮介と自身を比較しながら「僕も、人生何していいんだかわからないまま今まで来てしまったという感じです。まったく無計画で……どうしてここにいるんだろう……まだわからない」と客席を見渡してマイペースに発言した。
“定年を避けては通れない”サラリーマンとOLが招待された同イベントでは、後半にQ&Aコーナーを実施。最初の観客からの「石原プロモーションにも働き方改革の影響はありますか?」というまさかの質問を受け、舘は「大変申し訳ないんですけど、働き方改革の内容さえもわかっていません。石原プロは治外法権みたいなところがございまして……これは言っちゃまずいかな? セクハラやパワハラみたいなことは日常茶飯事(笑)」とジョークを飛ばす。さらに続く観客からも「最近、芸能事務所からの独立や契約の問題でにぎわっていますが、石原プロはどうですか?」と事務所絡みの質問が。舘は「うちは契約とかはまったくなくて、なんとなく雰囲気でみんな一緒にいるんですよ。働き方改革の内容もわからないような会社ですので、うちのことはほっといていただければ(笑)」とかわし、爆笑を起こした。
続いて50代のOLからエールを求められると、舘はすぐさま「30代にしか見えません!」と言って相手を笑顔にさせる。また若い女性客に仕事で理不尽な目に遭ったときのモチベーションの上げ方を聞かれ、黒木は「忘れる努力をするとか、飲んで寝るとか(笑)。その日のストレスはその日に置いていく」と回答。同じ質問に、一度は「モチベーションを上げる方法? ありません。もう流されていくしかないです。すいません、ここに来たのが不幸でしたね」と答えた舘だったが、再び手を挙げて「今思いつきました。素敵な恋をしなさい!」と言い放って拍手を浴びた。
「終わった人」は、6月9日よりロードショー。
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野澤善雄 @MIFFYBX
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