「毛虫のボロ」は、長年“虫の目から見た世界”を描く企画を温めていた宮崎が原作、脚本、監督を担当した14分20秒の作品。劇中の音声は、ラストに流れる久石譲のピアノ曲以外、ボロの声や効果音などすべてを
本編の上映前には、美術館の館長・安西香月が登場。宮崎が寄せたコメントを代読した。コメントの「小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました」という箇所について、安西は「小学生の頃に習った光合成のことをこんなに覚えているんだなと思って、私も親に顕微鏡を買ってもらって見てましたと監督に話したんです。そしたら『違うよ、僕は光合成が見たいわけじゃないんだ』とおっしゃるんですね」と述懐。「でもこう書いてありますよと言ったら『君とは違う。光合成は常に動いてできているもので、僕はその動きをずーっと気にしてここまでやってきて映画にしてみたんだよ』と言われて」と続けた。なおコメントの中で、宮崎は「タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした」とタモリへの感謝を述べている。
さらに安西は「一部ですでに報じられていますが、宮崎駿が初めてCGを使っております。結果としては一部分、使ってみたいところに使ってみたという形になっているんですが、空気をゼリーのように描いていて、そういう部分をCGで作ってます」と述べ、「おそらく皆様が観たことのないような映像になっています」と作品を紹介。上映後には、劇中に登場する昆虫のパネルや、本作のイメージボードなどを展示したギャラリーが取材陣に開放された。
「毛虫のボロ」は三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室・土星座で、3月21日から8月末まで上映される予定。美術館への入場は日時指定の予約制で、チケットはローソン店頭、ローソンチケット、電話にて販売される。7月から8月のチケットは、先行抽選販売が行われる予定だ。
宮崎駿 コメント
生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのでしょう。
小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました。
毛虫には空気の粒は見えるのかなぁとか、葉っぱをかじった時はゼリーのような味がするのかなぁとか、狩人蜂は今の戦場でとびまわっている無人攻撃機みたいなものかなぁとか……。
それでこんな映画ができてしまいました。
さいごまでつきあってくれたスタッフと、ノボロギクを教えてくれた家内と、音をあててくれたタモリさんに感謝します。
タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした。
ありがとう
2018年3月11日
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角田陽一郎/バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 @kakuichi41
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