森見登美彦原作「ペンギン・ハイウェイ」、蒼井優が声優初挑戦の北香那を絶賛

スタジオコロリドが初めて制作する長編劇場アニメ「ペンギン・ハイウェイ」の製作発表会見が本日3月1日に東京・東宝本社で行われ、キャストの北香那、蒼井優、監督の石田祐康、原作者の森見登美彦が出席した。

「フミコの告白」「陽なたのアオシグレ」で知られるスタジオコロリドの石田が監督を務める本作。物知りだが少し生意気な小学4年生“アオヤマ君”が、海のない街に突然現れたペンギンの謎を解こうと奮闘するさまが描かれる。森見原作のアニメ作品「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」を手がけてきたヨーロッパ企画の上田誠が脚本を担当した。

会見に出席するのは初めてという石田が最初に「自分はアニメ業界の中では全然ペーペーなんですが、こんな晴れ晴れしい舞台と作品の上でがんばることができて、とてもうれしく思います。バリバリ緊張していますが……よろしくお願いします！」と挨拶。森見は「かなり緊張してこの場に来たんですが、監督がそれを上回る緊張ぶりでこちらとしては助かります」と話し、会場を和ませた。

オーディションで主人公のアオヤマ君役を射止めた北は「声のお仕事をするのが夢でもあったので、すごくドキドキしながらオーディションに向かったことを覚えています。決まったときは感極まって泣いてしまいました」と述懐。続けて、脚本を読んだときの印象を「柔らかくてかわいらしい雰囲気の作品だなと思ったのですが、それだけでなくて“生きることとは何か”と考えさせられる内容でした。ああいう体験を一度でもしてみたかったです」と語る。

アオヤマ君の初恋相手であり、 歯科医院で働くミステリアスな“お姉さん”役の蒼井は「タイトルと見せていただいたイラストから想像していた話と違うほうにどんどん進んでいくので、自分にキラキラしていた時間があったことを思い出させてもらえて。小さいお子さんだけじゃなくて大人も楽しめる作品ですし、私はお父さんたちに観てほしいなと思いました」と作品をアピール。そして「自分は小さい子を引っ張っていく役をやったことがなかったので、声優として新しいチャレンジをさせていただきました」と吐露した。

森見は原作を「子供の頃を舞台にした作品で、自分の一番根っこにある世界を書いたという意味でかなり特別な作品」と話し、「『ペンギン・ハイウェイ』の世界に命を吹き込んでもらって大変光栄なことだと思っております」と感謝を述べる。そして、「かわいい子供なので最初は抵抗があり、若干心配しながら送り出したんです。でも監督とお会いしたときに熱意が伝わってきて、大丈夫そうだと思い、お願いしました。素敵な作品になりそうなのでとても楽しみです」と期待を寄せた。

北は「アニメの表情に合わせたり、口の動きに合わせてしゃべることとか細かいことが本当に難しくて、声優さんって本当にすごいなと改めて思った」と振り返り、「アオヤマ君と同年代の妹がいるんですが、小学5年生の男の子を観察しに授業参観へ参加してきたんです。けどアオヤマ君みたいな子はいなくて……。でも刺激を受けて、しゃべり方にそれを加えてみたりしましたね」とエピソードを披露した。司会者から北に何かアドバイスをしたかと聞かれた蒼井は「もう完璧なので。私が言うのもなんですけど、初めてじゃないんじゃないかなっていうくらい。もともと声優さんをやってた人みたいな感じです」と北を絶賛した。

終始緊張して、会場やキャストを和ませていた石田は最後に「このような大きな舞台で作品を作ることができて大変うれしいのと同時におっかない気持ちですね。 今まで以上に多くの方に観ていただけることになると思うので、早く観客の方々の顔を見てみたいなと思います」と思いを吐露し、イベントの幕を引いた。

「ペンギン・ハイウェイ」は8月に全国公開。