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たけしの東スポ映画大賞に松重豊ら「アウトレイジ」キャスト参加、大杉漣をしのぶ

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第27回東京スポーツ映画大賞の授賞式にて、左から大森南朋、ピエール瀧、ビートたけし、松重豊、金田時男。

第27回東京スポーツ映画大賞の授賞式にて、左から大森南朋、ピエール瀧、ビートたけし、松重豊、金田時男。

第27回東京スポーツ映画大賞の授賞式が2月25日に東京・グランドプリンスホテル高輪で開催され、最多受賞を果たした「アウトレイジ 最終章」のキャストが出席した。

ビートたけしが審査委員長を務める東京スポーツ映画大賞。たけしは北野武として「アウトレイジ 最終章」で監督賞を獲得するも、「俺(現場に)いらねえけどなあ! やっぱり役者さんはすごいよね」と言い放つ。「監督の仕事っていうのは、役者さんに緊張感を持たせてプレッシャーをかけること。重圧を感じないのが下手な人で、うまければうまいほどプレッシャーを感じるんじゃない」と持論を述べ、「俺みたいないい加減なやつは、スタッフに『この人大丈夫かな? 我々がいないと北野監督はどうにもならんだろ』って思わせて、うまいこと撮って逃げちゃうのが一番いいよね!」と言ってのける。

助演男優賞の受賞者として、大森南朋ピエール瀧松重豊金田時男も登壇。北野映画に欠かせない大杉漣も4人と一緒に同賞に選ばれていたが、2月21日に急性心不全でこの世を去り、世間から多くの悲しみの声が上がった。「アウトレイジ」シリーズへの出演を懇願していたという大森は「この賞を大杉漣さんと一緒に獲れたことを誇りにして生きていこうと思います」とスピーチ。自身の映画デビュー時から付き合いがあり、大杉の最期を病院で見守った松重は「漣さんと一緒に僕も北野映画に出演することができて。こんな華やかな場所に一緒に立てるんですね!という喜びを、つい4日前に千葉の撮影現場で言っていたので残念です」と無念を吐露。そして「湿っぽいことは嫌いな漣さんなので」と気を取り直し、「漣さん、これからも日本の映画を、僕たちを見守ってください」と呼びかけた。

瀧は「北野映画に呼んでいただき、こうして壇上でたけしさんに褒めていただくのがどんなにうれしいか」と喜びを口にする。また本業が実業家である金田は、80歳にして新人賞とのダブル受賞を果たし、「この歳で新人賞をもらえるのは本当にうれしくて、自分に対してご褒美。こんな賞もらったことがない」とスピーチ。たけしに「『アウトレイジ ビヨンド』から出てもらったけど、圧倒的にハマり役になっちゃって。見事な新人が現れたなと」と言わしめていた。

授賞式には、主演男優賞に選出された西田敏行塩見三省も出席した。2人は本作の撮影前に病に倒れ、たけしは衣装合わせの際のことを「主演2人がスタッフに抱きかかえられながら来て……もう駄目かと思った」と述懐。しかし「カメラが回ったら、役者だなと」と改めて感心したことを明かし、「塩見さんなんて手が揺れてしょうがなかったから、みんなで『うちわ持たせようか』なんて話してた」と冗談を飛ばす。杖をつきながらもしっかりした足取りで登壇した塩見を見ながら、「役者は辞めたら駄目だね。演技する緊張感が体をシャッと立たせるんだと思う」と語った。

西田は「衣装合わせのときの監督の呆然とした顔は忘れられない」と振り返り、「これからも世界の北野武として素晴らしい映画を作ってください。そして私がキャストの中に入っていれば、なおさらありがたい」とアピール。また「釣りバカ日誌」シリーズなどでも共演していた大杉をしのんで「大杉漣という戦友を失い、とてもつらい。彼の死を前に今思うことは、人間の死は病気や事故ではなく寿命なんだと。そう思うようにしないと納得できない」と語り、天井を見上げながら「漣ちゃんすいません。これから北野作品には私が(参加します)!」とお茶目に締めくくる。塩見も「衣装合わせで『塩見さんよろしくね』と言われたときから、こんなところまで来られて。今日この日を僕はこれからの人生の中で何度も思い出します」と深い感謝を伝えた。

なお映画ナタリーでは授賞式全体を追ったレポートも掲載している。

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