松坂桃李、憎悪が湧くほど薄い男を“究極の熱演”？蒼井優と阿部サダヲは大笑い

本日10月28日、「彼女がその名を知らない鳥たち」の初日舞台挨拶が東京・新宿バルト9にて行われ、キャストの蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、監督の白石和彌が出席した。

本作で、3人の男性と関係を持つ十和子を演じた蒼井は「阿部さんとのシーンを撮ったのは本当に汚いところで（笑）。松坂さんとはキラキラしたような場所、竹野内さんとは嘘みたいに白いお家や砂浜で撮影をしたので、3本の作品に参加しているような感覚でした」と撮影時を懐かしむ。不潔で下劣な男・陣治役の阿部は、その言葉に同意した様子で「（竹野内の出演シーンが）あんな夢みたいなところだなんて知らなかった……」と、竹野内を見ながらつぶやいた。

性欲のためだけに動く最低な男・水島役を務めた松坂は「後半の水島は、本当に憎悪が湧くくらい薄いんですよ（笑）」と自身が演じたキャラクターについて語り、保身のために女を道具として扱うクズ・黒崎役の竹野内は「監督に『とにかく最低で最高だったらただそれでいいです』と言っていただきました」と初タッグとなった白石とのエピソードを明かす。白石は「今までの作品でもクズをいっぱい撮ってきているんですが、黒崎は擁護のしようがないクズ」と評し、竹野内を苦笑させた。

イベントの中盤には、登壇者たちが“究極の◯◯”を紹介するコーナーが用意された。究極の寒がりだという蒼井は「真冬はだいたい舞台の仕事をやっていて、ロケは避けています（笑）」と回答し、阿部は「“究極の選択”ということだと、お芝居を始めてよかったなと。その前は陣治みたいな感じでトラックの運転手をしていたんです。そんな奴が今、こうなったという……」と感慨深げに話す。

続いて松坂が、“究極の恐怖体験”として「カンボジアでアンコールワットの朝焼けを見に行ったら、現地の男の人たちがナイフを持って駆け寄ってきて」と話し始め、ほかの登壇者たちを驚かせる。阿部は「その人たちはなんだったの？ 人殺し？」と恐れながらも、旅行者を狙った窃盗グループだったことがわかると「カンボジア、悪いところじゃないですよ！」とすかさずフォローの言葉を加えた。

「究極の熱演ってこういうことかと感じたのが、桃李くんの最終カット。ありがとう！と思いながら、ゲラゲラ笑いました」と述べたのは白石。それを聞いて蒼井とともに大笑いをしていた阿部は「熱演でしたよねえ。早くはけてくれよって思った（笑）」とうなずき、松坂は「だってそういう指示があったんですもん！」と照れくさそうにコメントする。

そして最後に蒼井が、7月に死去した俳優・中嶋しゅうが本作に出演していることに触れながら「お芝居の面白さを教えてくださった偉大な先輩。夢が叶って、映像でご一緒することができました。びっくりするほど気持ちの悪い役ですが。しゅうさんの姿と、松坂さんの熱演を目に焼き付けていただけたらと思います」と観客にメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

※「彼女がその名を知らない鳥たち」はR15+指定作品