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本作は、沼田まほかるの同名小説を原作にしたヒューマンドラマ。8年前に別れた男を忘れられず、同棲相手の陣治を嫌悪しながらも彼の稼ぎに頼る日々を送る十和子を蒼井、不潔で卑屈で十和子に異常な執着を見せる陣治を阿部が演じ、性欲のためだけに動く最低な男・水島に松坂、保身のために女を道具として扱うクズ・黒崎に竹野内が扮する。
完成披露の場に立ち「ワナワナしている」と言う蒼井は「ここにいる人全員に嫌われるだろうな」とコメント。その言葉に松坂は「僕のことも嫌いになる」と続け、「僕の名前を書いたうちわを持ってくださっている方もいますが、帰りにはゴミ箱に捨ててると思います」と述べ、会場の笑いを誘った。
蒼井は「オファーを受けたときは阿部さんと白石監督しか決まってなかった。でも『お二人とお仕事できるんだ、うれしい』と思って引き受けました」と振り返る。「読めば読むほど最低。クズ合戦」と本作について語る蒼井は自身の役について「共感できるところはないと言いたいけど、女性が常識や人間関係のしがらみによって捨てている選択肢を全部体現していて、理解できる部分もある」と明かす。
「現場に入った瞬間に服などを汚されていた」と衣装やメイクについて述べる阿部は「陣治の格好をしてるときは床に落ちたお弁当のおかずも食べられた」と自然に役に入れたことを話す。重ねて阿部は「監督は細かいこだわりがすごい。たぶん見えないと思うんですけど、足の指の間にもゴミが入っているんです。双眼鏡を持っている方ぜひ観てください」と細部のこだわりをアピールする。
「ゲスだなーと思った」「ペラペラペラ男」と自身の役を説明する松坂は「共感できたら終わりだなと思った」と断言する。白石は松坂に「でも説明しなくても演じられてたよね。桃李くんのゲスっぷりについては何も言っていない」とツッコむ。タジタジになりながらも「この役を振ってもらえてうれしかった」と述べる松坂に対して白石は「俺が松坂桃李なら受ける理由が見当たらない」と笑う。
「ちゃんと演じられるかなって不安があった」と言う竹野内は「監督が的確なヒントを投げてくださった。そして現場が楽しかったし、幸せな時間でした」と述懐。試写で松坂と竹野内の演技を観たことに触れて阿部は「ひどすぎて悔し泣きした。2人とも殺してやりたい。2人とも甲乙つけがたいほど最低」と熱っぽく語ったあと「でもお二人とも普段はいい人ですよ」と慌ててフォローした。
それぞれ初共演だったという3人に対して蒼井は「阿部さんは軽やかに芝居をする人」「松坂さんはこんな薄いセリフを真顔でよく言えるなと」「竹野内さんはいつも気を使ってくださいました。映画の核になる部分を最初に話せて一緒に映画を作れる方なんだなと思いました」とそれぞれの印象を語る。そんな蒼井に対して竹野内は「いつかご一緒したいと思っていました。本物の女優さんだと改めて感じた」と称賛した。
イベントでは本作が第12回ローマ国際映画祭のオフィシャルセレクションへの出品が決定したことも発表。最後の挨拶で白石は「『クズだ』とか『最低だ』という発言がたくさん出ましたが、僕としては美しく愛おしい映画になったと思っています。皆さんぜひ応援をよろしくお願いします」と述べ、観客に思いを伝えた。
「彼女がその名を知らない鳥たち」は、10月28日より東京・新宿バルト9ほか全国でロードショー。
※「彼女がその名を知らない鳥たち」はR15+指定作品
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- 「彼女がその名を知らない鳥たち」公式サイト
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- 「彼女がその名を知らない鳥たち」予告編
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シアターキノ @theaterkino
10/28(土)公開
【彼女がその名を知らない鳥たち】
完成披露試写会での様子が紹介されています。
阿部サダヲが松坂桃李と竹野内豊に「2人とも甲乙つけがたいほど最低」
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