「エル」ヴァーホーヴェンがユペールに信頼寄せる「僕たちは同じものを見ていた」

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本日6月23日、「エル ELLE」が東京・有楽町朝日ホールで開催中のフランス映画祭2017にて上映され、Q&Aに監督のポール・ヴァーホーヴェン、主演のイザベル・ユペールが登壇した。

左からイザベル・ユペール、ポール・ヴァーホーヴェン。

左からイザベル・ユペール、ポール・ヴァーホーヴェン。

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本作はフィリップ・ディジャンの小説をもとにしたエロティックサスペンス。ゲーム会社でCEOとして働く主人公ミシェルが、自分を襲った男の正体を突き止めようと行動を起こす過程で、自身の中に隠されていた欲望や衝動に突き動かされていくさまを描く。

イザベル・ユペール

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ミシェルというキャラクターの印象を問われたユペールは「自分自身を滅ぼしてしまうところはあると思います」とコメント。そしてミシェルがレイプされるシーンに触れながら「非常に男性的な暴力というものがどこから来るのかを、彼女は自分自身が暴力と直面したことで知りたいと思ったのかもしれませんね」と語る。

ポール・ヴァーホーヴェン

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続いてヴァーホーヴェンへ「ユペールさんと役に関してディスカッションをしましたか?」と質問が飛ぶと、ヴァーホーヴェンは「実は一切しませんでした」と即答して観客を驚かせる。その理由を彼は「例え話し合ったとしてもフロイト的な分析にしか至らないし、それは我々が映画を作るときになんの助けにもならない」と話し、「イザベルさんはミシェルとしてやるべきことをすべてわかっていたので、演出は一切していません。直感的な意味で、僕たちは同じものを見ていた。だからコミュニケーションの上ではうなずくだけで十分だったんです」とユペールに信頼を寄せた。

そして最後に「一番大変だったシーンは?」と尋ねられたユペールは「何もありませんでした。観るのが大変なシーンはあると思います。一番大変なのは、小さな鳥が死ぬシーン……」と明かして観客を笑わせ、「この映画のテーマは命だと思います。小さな鳥でも彼女は救おうとする。いかに命が大切かというテーマにつながっていくんです」と本作をアピールした。

「エル ELLE」は8月25日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。

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フランス映画祭2017

開催中~2017年6月25日(日)東京都 有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇
<上映作品>
エル ELLE
「エタニティ 永遠の花たちへ」
愛を綴る女
「ルージュの手紙」
「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」
「Raw(英題)」
「チェイサー(1978年)」
「夜明けの祈り」
セザンヌと過ごした時間
「ポリーナ、私を踊る」
「あさがくるまえに」
「パリは今夜も開演中」ほか

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tAk @mifu75

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