映画監督・
仲代はこの日、自身が出演した岡本の監督作「
現場では監督と俳優の関係であるものの、プライベートでは友達のように「キハっちゃん」「モヤ」と気さくに呼び合っていたと思いを馳せる仲代。岡本のエピソードとして「(服が)いつも黒ずくめなんですよ。私も今日は黒で合わせて参りました」と笑いながら、「『なぜいつも黒い服なのか?』と聞いたら、『風呂に入るのが大嫌いで、白いシャツを着ると汚れが目立つ』と。見た目と中身が違っていましたね」とそのギャップに驚いたことを明かす。自身が10歳のときに岡本が他界したという前田は「祖父の映画を観るたびに、こんなことを考えていたんだ!という発見があります」と岡本作品に抱く思いを語った。
「実は私、岡本家に結構潜入していて……」と切り出す仲代は、若い頃たびたび酒などをご馳走になりに通っていたことを振り返る。また岡本の娘で、前田の母にあたる女優の岡本真実が、仲代の俳優養成所・無名塾に入っていた当時を思い出し、「彼女がいい役で舞台に立ったときはキハっちゃんが涙を流して喜んでいました」と、岡本の親としての一面にも触れた。さらに岡本の監督としてのスタンスについて「役者には厳しくない。やりたいようにやらせて、違うところがあれば注文する。スタッフには厳しかった」と言及すると、前田も「『準備は厳しく、現場は楽しく』が信条だったみたいです」と深くうなずく。
役者に難しい注文をしない分、絵コンテでイメージを共有していたという岡本。そんな彼に対し、仲代は「マンガを作りたかったんじゃないかな」と思いを巡らせ、ブラックユーモアに満ちた「殺人狂時代」について「当時の日本映画界になかった、アニメの感じがすると今日改めて思ったんですよ。当時は『ふざけてるんじゃないか?』と批評家に言われたりしましたが、長い間この作品が大好きだと言ってくださるファンの方もいらして。岡本監督は時代を超越した感覚を持っていらしたんだと思います」と偉大さを称えた。
イベントでは、6月から全国公開される仲代の主演最新作「海辺のリア」の予告編上映も。「春との旅」「日本の悲劇」でも仲代とタッグを組んだ小林政広が監督・脚本を担当した同作は、仲代自身が「これは“仲代達矢のドキュメンタリー”だと思う」と述べるように、かつてスター俳優だった男を主人公とした物語。公開を記念し、期間限定でTwitterを開設している仲代は「映画が封切りされると、いろんな感想も届くのかな」と期待を口にした。
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仲代達矢さん、前田理沙さん、本日のトークでは大変お世話になりました!真面目なお話に笑いが湧く、まるで岡本喜八監督の映画みたいでとても良いことだと思いました
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