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本作は、大崎善生の同名ノンフィクション小説をもとに、難病を患い名人への夢半ばで早逝した実在の棋士・村山聖の人生を描いたヒューマンドラマ。精神面のみならず肉体面からもアプローチして村山役に挑んだ松山は「村山聖という人間の生き方に心揺さぶられたので、そのままお客さんに伝えなければならないと思うとプレッシャーでした。まだ自分の中でこの作品に対する答えが見出せていないけれど、(映画が)公開するまでゆっくり確かめていきたいです」と口にした。
松山と東出は、劇中の対局シーンと同じく和装で登場。「なぜ僕たち2人だけ和服なのか。その答えは東出くんが知っています」という松山の唐突な振りに、東出はギョッとしつつも「将棋というのは盤と駒を使うだけでなく、日本の伝統美も存在します。なので(和服が)スクリーンに映えて、目にも美しい映画になっているはずです」と丁寧に説明し、松山を大きくうなずかせる。
村山とライバル関係にあった羽生善治を演じた東出。撮影前に森とともに羽生に会う機会があったと振り返り、「プロ棋士としての感情論や勝負の世界について話を聞きました。やっぱりすごい人でしたね。なんと言うんでしょう……」と羽生の圧倒的な存在感を表現しようとするも言葉を詰まらせる。ここで松山が「その会、僕呼ばれてない!」と挙手。東出が「監督から『松山くんとは(撮影に)インするまで会わせないし、しゃべらせるつもりない』って言われてたし……」と明かすと、森も「2人はまさにこの映画の中で出会っているんだよ。だからか、今日もちょっと噛み合ってないけど(笑)」となだめる様子を見せる。しかし松山は羽生に会えなかったことが悔しい様子で、「僕は納得してないです!」と声を荒げてみせた。
舞台挨拶では、第74期名人戦七番勝負で羽生に挑戦し、初タイトルを奪取した新名人・佐藤天彦が登壇して将棋ファンの東出を喜ばせる一幕も。また対局の際、棋士が揮毫入りの扇子を使用していることにちなみ、登壇者たちは自身の座右の銘を記した扇子を披露。自身を「せっかち」だと表現する安田は「おだやかに」と書いた扇子を見せ、“歩きスマホ”にイライラしてしまうことがあるとぼやきながら「この作品ぐらい穏やかでいることを心がけたい次第であります」とコメントする。
最後に松山は「好きに勝るものなし」という言葉を見せながら、「原作を読んだとき、聖の生き方が好きになって、この人のためならすべて捨てられるという思いになった。決して楽なものではなかったですが、好きって気持ちは全部越えちゃいますね。今、自分のど真ん中にある言葉です」と、役に込めた強い思いを語った。
「聖の青春」は、11月19日より全国でロードショー。
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「聖の青春」松山ケンイチ、羽生善治に会った東出昌大をうらやましがる (映画ナタリーさんの記事 )
安田顕さんや将棋界からは佐藤天彦名人も登壇された「聖の青春」の舞台挨拶の模様ですので是非!
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