小栗康平「文化の衝突に興味があった」、トークショーで「FOUJITA」の核に触れる

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11月14日に封切られる「FOUJITA」。その公開を記念したトークイベント「映画『FOUJITA』の作られ方」が10月21日、東京・6次元にて行われ、監督の小栗康平、作家の田口ランディが登壇した。

「映画『FOUJITA』の作られ方」の様子。左から小栗康平、田口ランディ。

「映画『FOUJITA』の作られ方」の様子。左から小栗康平、田口ランディ。

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小栗康平

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イベントは、小栗のフィルモグラフィや監督最新作「FOUJITA」に関するクイズから開幕。「1990年のカンヌ国際映画祭にて審査員特別グランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞した作品は?」「『FOUJITA』の主人公である画家・藤田嗣治が建てた小さな教会はどこにある?」といった問題の答えに対し、小栗が1つひとつ丁寧に解説を入れると、客席からは「ほー」という声が漏れる。

田口ランディ

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小栗との交友が深い田口の「フィルモグラフィを紐解きながら、小栗さんの作品の魅力に迫っていきたい」という言葉通り、小栗本人が自身の監督作品を振り返っていった同イベント。もっとも尊敬する監督にの1人に小津安二郎の名を挙げる小栗は「僕らの前の世代、大島渚さんをはじめとする松竹ヌーヴェルヴァーグの作品が見せる社会性や観念性、政治性などとは違う場所で作品を作りたいと考えていた」とデビュー作である「泥の河」の制作時を振り返る。続けて「波風を立てて映画を作るのではなく、むしろ波風が治まったところで静かに人間の感情をすくい上げていきたいと思っていた」と言葉を重ね、自身と小津との類似性に触れる。そのほか自身の監督作「死の棘」の原作者・島尾敏雄とのエピソード、松坂慶子や岸部一徳ら俳優への思い、抱えている企画の話などが冗談を交えながら語られた。

自身の監督作について丁寧に語る小栗康平(左)と、それを引き出す田口ランディ(右)。

自身の監督作について丁寧に語る小栗康平(左)と、それを引き出す田口ランディ(右)。[拡大]

話が「FOUJITA」におよぶと、小栗は「絵画が持っている静けさが、映画世界にどのように影響を与えるか関心があった」とコメント。セルフプロデュースの才能があり、派手好きであった藤田のイメージを中心に据えるのではなく「僕は藤田から見えてくる日本やフランスを軸とする文化の衝突に興味があった」と作品の核を明かした。

「FOUJITA」は、1920年代から1930年代にかけてフランスのエコール・ド・パリの寵児となり、戦争を機に日本に帰国してからは“戦争協力画”を手がけるようになった藤田の姿を描くヒューマンドラマ。オダギリジョーが藤田を演じ、その他共演者には中谷美紀、加瀬亮、アナ・ジラルド、りりィ、岸部一徳らが並ぶ。なお同作は、本日10月22日より開幕した第28回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている。

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