第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)の自主映画コンペティション、「PFFアワード2015」の受賞結果が発表された。
入選作品20本のうちグランプリに輝いたのは東京都出身の21歳、杉本大地の監督作「あるみち」。主人公“杉本大地”の何気ない日常を描いた同作にて、自ら主演も務めた。「鬼畜大宴会」で「PFFアワード1997」準グランプリを獲得した審査員の
そのほかの受賞作品および審査員の総評は以下の通り。なお、第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)はこのあと京都・京都シネマ、兵庫・神戸アートビレッジセンター、愛知・愛知芸術文化センター、福岡・福岡市総合図書館にて順次開催される。詳しい日時は映画祭の公式サイトで確認を。
第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)「PFFアワード2015」受賞結果
<グランプリ>
「あるみち」 監督:杉本大地
<準グランプリ>
「ムーンライトハネムーン」監督:冨永太郎
<審査員特別賞>
「嘘と汚れ」監督:猪狩裕子
「ゴロン、バタン、キュー」監督:山元環
「わたしはアーティスト」監督:籔下雷太
<エンタテインメント賞>
「したさきのさき」監督:中山剛平
<ジェムストーン賞(日活賞)>
「したさきのさき」監督:中山剛平
<映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)>
「したさきのさき」監督:中山剛平
<観客賞>
「いさなとり」監督:藤川史人
<[特別設置]日本映画ペンクラブ賞>
「いさなとり」監督:藤川史人
杉本大地監督 コメント
グランプリを頂き、ありがとうございます。
この映画は大学2年のときのシナリオを元にしました。
どういうエモーショナルなものを作れるのか、内に秘めた爆発を、匂いや空気に込められないかとこの作品を作りました。まさに自分の物語で、地元の友人にカメラを渡して撮ったりとみんなのおかげでできました。最初、この作品にたいして大きな自信がありましたが、PFFで多くの人にどう観てもらえるのか不安になりました。でも、審査員の方々に汲み取って頂き、この賞を頂けたことがとても嬉しいです。
最終審査員総評
奥田瑛二 コメント
普段365日酒を飲むのですが、1日だけ飲まない日がありました。それがこのアワード作品を鑑賞した日です。腹が立ち、夢中になり、どんなにつまらないものでもエンドロールの最後までみる、そうして時間はあっという間になくなりました。私はダメなものはダメと思いますが、とにかく作り続けてください。めげないで、命がけで、冒険心を持って、映画を作っていってください。
大友啓史 コメント
20本、楽しく拝見しました。とても賞を決めるのが難しかったですが、多くの才能に出会えて幸せでした。映画を作り続けていくとどこかで自分の殻を破らなければいけない時が来ますが、そこに向き合い、とにかく作り続けてください。
阿部和重 コメント
全体的に技術的水準が高くなっている印象を受けました。グランプリ「あるみち」は杉本監督からしか出てこないようなものが画面に映っていて、現場から出るものを取りまとめて構成するのがうまいと思いました。撮り続けていける監督だと思います。PFFアワードは自主制作映画のコンペティションなので、まずは自主制作がどういうことか考えなければなりません。基準は難しいですが、「ゴロン、バタン、キュー」は自主制作だからこそできる映画であり、「幽霊アイドルこはる」のオリジナリティは誇るべきものだと思います。
熊切和嘉 コメント
まずは20作品のバラエティの豊かさに驚きました。その中でも「あるみち」は鮮度の高さがずば抜けていたと思います。これからの社会、映画を撮り続けることは大変ですが、腹をくくってメリメリと撮っていってください。
西村義明 コメント
技術も含めて、素晴らしい作品が多かったと思いました。審査は生半可な気持ちでできない素晴らしい経験でした。アニメーションも実写も映画を作るというのは何年もかけて一本を作る大変な作業ですが、 その一本が何か残るものになってほしいと思います。作り続けていくと、あるとき、「この人たちに観てもらいたい」という情熱が湧くと思います。その情熱を大切に頑張っていってください。
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リンク
- 第37回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)公式サイト
- PFFアワードについて | 第37回PFF
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たけうちんぐ @takeuching
昨年の神聖かまってちゃん@大阪のライブ撮影に参加してくれた山元環監督の作品がぴあフィルムフェスティバル2015で審査員特別賞を受賞している。おめでとうございます!https://t.co/1yz9WRsV4d http://t.co/pqG0Rw76FV