中村勘九郎&野田秀樹「鼠小僧」上映で亡き勘三郎との思い出語る

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本日9月21日、第8回したまちコメディ映画祭in台東にて「シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』」のデジタル上映が行われ、トークイベントに6代目中村勘九郎、野田秀樹、したコメ総合プロデューサーのいとうせいこう、老舗扇店の文扇堂主人・荒井修が出席した。

「シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』」トークイベントの様子。左から荒井修、中村勘九郎、野田秀樹、いとうせいこう。

「シネマ歌舞伎『野田版 鼠小僧』」トークイベントの様子。左から荒井修、中村勘九郎、野田秀樹、いとうせいこう。

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中村勘九郎

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歌舞伎の舞台公演をHDカメラで撮影し、スクリーンで鑑賞を楽しむシネマ歌舞伎。野田秀樹が作・演出を手がけた「野田版 鼠小僧」は、中村勘三郎(当時、5代目中村勘九郎)をはじめとする俳優たちが江戸町奉行から幽霊にまで扮し、にぎやかな作品となった。

「野田版 鼠小僧」について、野田は「勘三郎さんと飲んでいるときに、『そういえば鼠小僧ってサンタクロースみたいなものだよね?』という話になって」と製作のきっかけに言及。また「歌舞伎の役者さんはみんな忙しいから、大阪まで追いかけて行って舞台の合間に稽古をしたこともありましたね。役者さんと私しかいない寂しい稽古場でしたが、みんなで大笑いしたのを覚えています」と稽古時の思い出を語った。勘九郎は「野田さんは役者1人ひとりに細かく芝居をつけてくれたんです。メインの人だけじゃなく、セットの3階にいる人たちにまで熱心に指導をしてくださって。うちの父が大変感謝していました」と当時を振り返る。

野田秀樹

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続いて製作時の苦労や工夫について、野田は「歌舞伎独特の花道や舞台装置の使い方に苦労しました。使いづらいところは、それを逆に利用した見せ方を考えたりして」と明かす。それを受けて勘九郎は「役者たちもそれを楽しんでいましたよ!」と、荒井は「楽屋にいくとみんなが『大丈夫か?』って思うくらいはしゃいでいて……」とそれぞれ口にし、当時を懐かしんだ。また勘九郎が「うちの次男が自分のこと鼠小僧だと思い込んでいて。彼は哲之(のりゆき)と言うのですが、『のりー』って話しかけると『のりじゃない!鼠小僧!』って言うんですよ」と、ほほえましい話を披露する一幕も。

左から中村勘九郎、野田秀樹。

左から中村勘九郎、野田秀樹。[拡大]

最後に劇中の印象的な場面を問われると、野田は「やっぱり最後のお白州のところかな。三津五郎さんと勘三郎さんのシーン。あそこを観ていると、いつも自分が演出家であるということを忘れてしまうんです」と答える。また「あと僕の大好きなシーンで、勘三郎さんが70歳ぐらいの役者さんを蹴るシーンがあるんですけど」と付け足し、会場の笑いを誘った。勘九郎は「キャラクターが面白いのでそこに注目していただけたら。あと僕が花道を走る場面があるんですが、父に『歌舞伎座の花道を全力疾走してスライディングしたのはお前が初めてだ』って褒められたのを覚えています」と思い出を語った。

第8回したまちコメディ映画祭in台東は、9月18日から22日まで東京・浅草公会堂ほかにて開催中。

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読者の反応

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うの字 (J.Urayama) @uno36

したコメin台東 野田版鼠小僧トークショー http://t.co/LmUN6uS2cX 野田さんの鼠色のスーツ、誰にも指摘されないのでボソッとせいこうさんに囁いて紹介してもらってた(笑)

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