ファティ・アキン新作12月公開、家族との再会信じて地球半周した男の8年を追う

ファティ・アキンの監督作「THE CUT」が「消えた声が、その名を呼ぶ」の邦題で12月26日より公開されることが決定した。

第1次世界大戦中のオスマントルコ、マルディンを舞台にした「消えた声が、その名を呼ぶ」は、「ある過去の行方」「預言者」のタハール・ラヒムが主演を務めたロードムービー。憲兵に強制連行され、暴行によって声を奪われたアルメニア人のナザレットが、生き別れた家族との再会を信じ、8年かけて地球を半周する過程を追う。本作はドイツ、キューバ、カナダ、ヨルダン、マルタと5カ国で撮影を敢行し、7年の歳月を経て完成に漕ぎ着けたという。2014年に行われた第71回ヴェネツィア国際映画祭では、コンペティション部門に正式出品された。

脚本はアキンと「レイジング・ブル」のマーディク・マーティンが共同で手がけ、撮影は「ソウル・キッチン」「愛より強く」などアキン作品でおなじみのライナー・クラウスマンが担当。出演者にはラヒムのほか、シモン・アブカリアン、マクラム・J・フーリらが名を連ねる。

あわせて公開されたポスタービジュアルに写っているのは、ラヒム扮するナザレットがキューバからアメリカへ向かうため船に乗り込んだ姿。背景には彼がたどった道のりを記した地図がデザインされている。