アニエスベーの初監督映画が公開決定、エールやソニック・ユースが音楽を担当

ファッションデザイナーのアニエスベーが、アニエス・トゥルブレという本名で初監督した2013年の作品「わたしの名前は…」の日本公開が決定した。

これまでハーモニー・コリンの「スプリング・ブレイカーズ」やドキュメンタリー映画「マシュー・バーニー：拘束ナシ」に製作総指揮として参加したほか、デヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」やクエンティン・タランティーノの「パルプ・フィクション」にも衣装を提供してきたアニエス。本作では彼女が10年以上前に新聞で読んだというある事件の記事をきっかけに、自身で脚本も書き上げた。

アニエスが「旅で経験する出会いや日常から切り離された純粋な自由を描きたかったのです」と語る「わたしの名前は…」は、フランス・ボルドー地方を舞台とした家出少女とトラック運転手のロードムービー。父親から虐待を受け家を飛び出した12歳の少女が、偶然止まっていたトラックに乗り込み、言葉の通じないスコットランド人の運転手と共に逃避行に出る姿を描く。

撮影はアニエスの友人である各国のアーティストや文化人の協力を得て行われた。トラック運転手を演じるのは「ジダン／神が愛した男」の監督である現代芸術家のダグラス・ゴードン。さらに、フランスのエレクトロポップデュオ、エールのジャン＝ブノワ・ダンケルが音楽を担当したほか、アメリカのロックバンド、ソニック・ユースも未発表音源を提供した。また、アメリカ人監督ジョナス・メカスが一部撮影を手がけており、そのシーンにはイタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリが出演している。

「わたしの名前は…」は、10月より東京・UPLINKほか全国順次ロードショー。