映画「
中川が母親を看病した経験をもとに脚本を執筆した本作では、人生の岐路に立った高校生の息子・佑と、難病を抱えながら我が子の明日を願うシングルマザー・美咲の揺るぎない愛が描かれる。佑を山時、美咲を菅野が演じ、美咲が利用する介護施設のケアマネジャー・下村香織役で西野が出演した。
山時は佑を演じたことを「学生時代には佑と同じくバスケットボール部に所属していて、進路に悩んだ瞬間もあったので役との共通点が多かったです。でも役をすべてつかみきれているわけではなく、芝居の中で理解していくこともありました」と回想。菅野はオファーを受けた当時を「光栄な気持ちがありつつ、覚悟も必要でした」と振り返り、「病気について勉強することはもちろんですが、息子を思う気持ちを一番に考えて臨みたいなと。山時さん、西野さんと現場で目を合わせる中で、美咲の気持ちが台本に書かれている以上にわかったかなと思います」と語った。
西野はそんな2人を見守る“ケアマネジャー”という役どころに「でしゃばりすぎてはいけないし、でも自分の思いは伝えたいし……。距離感を大切にする繊細な職業だなと思いました」とコメント。「現場には実際のケアマネジャーさんがいてくださったので、不安になるたびに相談していました」と思い返した。
また中川にとって、商業映画としてオリジナル作品を手がけるのは本作が初めて。彼は「原作がない場合だと自らの感性や好みが色濃く出る。僕の好きなタイプの映画は押し付けがましくなく、優しく何かを気付かせてくれるような作品なんです」と切り出し、「そういった映画はあまり説明的じゃなく、わかりづらい部分もあったりする。でもきっとお客様には伝わるだろうと、信じる気持ちで本作を作りました」と打ち明ける。またMCから試写会で多くの好評が集まっていることが告げられると、「僕はめちゃめちゃエゴサーチをするので、Xで投稿してくれたら1分以内に“いいね”するかも。もしすぐつかなかったら『お風呂に入っているのかな?』と思ってください(笑)」とお茶目に伝えた。
互いの印象に話が及ぶと、山時は菅野と“息子と母”のもどかしい距離感でいることを心がけていたと明かし、「菅野さんから『爪を切って』と言われたことがあったんです。距離感をつかむための優しさなのかなと感じました。でも緊張で震えながら切っていて『深爪になってないか?』と気になったり……」とエピソードを披露。菅野は「切ってもらおうと思って伸ばしてたんです!」と事前に計画していたことを明かし、「美咲はこういったことも息子にやってもらっていたんだなと。また山時くんの人柄がそこで見えて、緊張する様子にも『いい子だわ~』と思ってましたよ」とほほえむ。
また菅野は西野との初共演に「親子を見守るにあたって、ずっと“透明な目”で見てくださっていることに『それだけでいいじゃないか』と思えました。山時くんも含め、目を合わせて演技することが心地よい2人なんです」と述懐。西野は「(菅野は)現場ではすごく明るくて、一緒に豚汁を食べたことも。美咲さんとしていらっしゃるときは空気がガラッと変わるので、自分も自然と下村でいられたのかなと思います」と話した。
撮影時は19歳で、現在は20歳を迎えた山時。イベントではその節目に絡め、卒業証書授与が行われた。菅野が「10代最後のすべてを本作に注ぎ、20歳という人生の節目において、主演として作品を無事に送り出しました。その真摯な姿勢と、ここまで走り抜けた努力をたたえ、ここに“無事公開までがんばりましたで賞”を授与します」と読み上げると、山時は卒業証書を観客に見せながら「小学校の頃を思い出しました! 母の前で見せるみたいな」と満面の笑顔に。最後に「本作を通し、これまでにない経験をさせていただきました。映画は多くの人の力があるからこそ、こうして皆さんに届けられる。実の母からは以前の試写会で“恩送り”という言葉をもらったのですが、皆さんからいただいた恩を絶対に誰かに送りたいなと思います」と挨拶すると、横で“母”のまなざしを見せる菅野は瞳を潤ませていた。
「90メートル」は全国で公開中。
映画「90メートル」本予告
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園木千絵 @5aQAZ19ekz65880
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