ホラーを語るリレー連載「今宵も悪夢を」 第11夜 [バックナンバー]
選者 / 桃月なしこ「CUBE」
極限状態、死のトラップ、そして裏切り…己の特技を使って脱出せよ
2022年2月25日 21:00 6
ホラーやゾンビをこよなく愛する著名人にお薦め作品を紹介してもらうリレー連載「今宵も悪夢を」。集まった案内人たちは身の毛もよだつ恐怖、忍び寄るスリル、しびれるほどの刺激がちりばめられたホラー世界へ読者を誘っていく。
第11回では、謎解きを愛する
取材・
私が1人であの立方体の中にいたら即死ですね
「CUBE」を観たのは2、3年くらい前。私は趣味が謎解きなんですが、「謎解きが好きなら多分この作品も好きだよ」と友人に薦められたのがきっかけです。最初はみんなで協力してここから逃げようとするのに、極限状態になると裏切っていく。人を裏切ってまで生きたいと思う人間の怖さがすごく好き(笑)。もともとサバイバルゲームや殺し合いがテーマの作品をよく観ているんです。
本作は、お互い見知らぬ登場人物たちが目を覚ましたら、立方体の部屋の中に閉じ込められていたというところから始まります。なぜここにいるのかも、どうやって閉じ込められたのかもわからない。立方体の中には各面に扉があって、間違った立方体の部屋に進むと硫酸やのこぎりのような死のトラップがあります。それを潜り抜けながら、正解の道を探して脱出していく。それぞれの特技を使って進もうとするのですが、出口がどこにあるのかわからない中、人間の恐ろしい部分が出てきて……というストーリーです。
印象に残っているのは“一番人間らしい”警察官の男性キャラクター。最初は「俺が引っ張っていくぜ」と言っておきながら、途中でいらだちと焦りを覚えてきて、最終的には邪魔な奴を切り捨てようとする。人間の悪いところが出ている人物です。だんだん暴君になっていく彼に、女性のお医者さんが暴言を吐いて揉めるシーンがあって。この恨みをきっかけにあるやり取りが生まれるのですが、その場面がすごく怖くて覚えています。極限だったからこそ、あのような精神になってしまったのかなと思わされました。
劇中のように水も食料もない環境だったら、私も何をやるかわからない。周りに武器があったらどうなるか……。もしかしたらみんなでやりあう可能性もなきにしもあらずです。でも、私が1人であの立方体の中にいたら即死ですね。というか、進むという選択肢を取らないかもしれない。もしほかの人がいるなら列の最後のほうに付いていきます。脱出に大事なのは頭脳でしたから、私の出番はなさそうです(笑)。
桃月なしこ(モモツキナシコ)
1995年11月8日生まれ、愛知県出身。“可愛すぎる現役ナース”として一躍脚光を浴び、ファッション雑誌bisのレギュラーモデル、コスプレイヤーとして活躍している。サカイ引越センターのテレビCMに出演しているほか、「魔進戦隊キラメイジャー」で敵幹部ヨドンナ役に抜擢され、スピンオフでは主演を務めた。東映の配信ブランド・Xstream46作品「ようこそ東映殺影所へ」にも主演している。
「CUBE」(1997年製作)
目覚めると、そこは謎の立方体“CUBE”の中だった。訳もわからず閉じ込められてしまった男女6人は、それぞれの面に付けられた扉を開けて、次の立方体へ進み出口を探すことに。しかしいくつかの立方体には殺人トラップが仕掛けられていて……。
監督を務めたのはヴィンチェンゾ・ナタリ。
「CUBE」Blu-ray / DVD販売中
税込価格:Blu-ray 2750円 / DVD 1980円
発売元・販売元:ポニーキャニオン
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大好きな作品「CUBE」についてお話させて頂きました(日本版の方じゃないよ)
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