第47回講談社漫画賞の贈呈式が、本日7月5日に東京・帝国ホテルにて行われた。今年は硬梨菜原作による
まずは第47回の選考委員を代表し、
続く少女部門では、選考委員の総意が「あの子の子ども」に集まっていたとコメント。「衝撃的でした。1話目から引き込まれて、私も人の親ですから『なんで素敵なことなのにおめでとうって言わないの』と腹立てながら読んでました。マンガなのに(笑)」と「あの子の子ども」を絶賛する。そして総合部門を受賞した「スキップとローファー」については、「最終候補にあがるのが2回目ですが、あまりにも面白いのでもう時間の問題でした」と語り、「いつかは受賞するだろうと思っていましたが、であれば私の任期中に受賞させなければと、床にいつでも寝っ転がる体制で取り掛かったんです(笑)」と固い決意で選考に挑んだと述べる。しかしほかの選考委員からも「スキップとローファー」を推す声が多く、「僕がこれだと思った作品がそのまま受賞と相成りました」と満足そうに笑顔を浮かべた。
そしてステージには受賞した作家陣が登壇。「シャングリラ・フロンティア」の原作を手がける硬梨菜は「もともとWeb小説で、自分の考えた世界を知ってほしいと思って投稿したのが始まり。まさかこんな歴史ある賞のステージに立たせていただける日が来るとは思っておらず、夢の中を生きている気分です」とまだ現実味がない様子で感想を語る。そして「自分の力だけじゃなく、(コミカライズをしようと)声をかけてくれた編集さんや不二先生、読者の皆さんのご声援のおかげ。自分の物語が認められたのは光栄です」と感謝を述べた。
一方、作画担当の不二は「今回の受賞は硬梨菜さんのおかげ」とお互いに相手を立てながらも、「もともと担当さんが『シャンフロ』のファンで、『絶対にアニメ化します!』とすごい熱量で(笑)。こちらからするとこれで売れなかったら自分のせいかなとプレッシャーだったんです」と、作画担当としての不安もあったと明かす。さらに「その結果、アニメ化もゲーム化も決まり、こんな賞もいただいて、本当にすごい船に乗せていただいた」と恐縮しながらも、「原稿の締め切りが明日に迫ってまして(笑)。この場にアシスタントさんも来てますが、明日に響かないようにお願いします」と語り観客たちを笑わせる。
「初めてマンガを読んだのが7歳のとき。それからずっと少女マンガの虜でした」と語るのは少女部門を受賞した蒼井。高校生の妊娠という難しいテーマを扱う「あの子の子ども」は、「たった1人で悩んでいる子供たちに向けて描いている」と語り、「作品の取材を通して、職業も性別も年齢も立場も違う皆さんが信念を持って、子供たちと真摯に向き合っていることを知りました」と、若年妊娠の問題と当事者たちの気持ちを、作品を通して読者に届けたいと明かす。そして「制作に関わってくださる皆さんや読者さんに恥じることのないよう、このテーマに最後まで誠実に向き合っていこうと気持ちを引き締めることができました」と受賞の喜びと、これからの執筆に対する決意を伝えた。
最後は総合部門を受賞した高松が登場。「作品を描くにあたり、学生さんに取材をさせてもらったり、友人知人に昔の話を聞いたり、いろんな人に聞いて話し合いました」と、作品を支えてくれた人たちへの感謝を述べる。さらに「このマンガの好きなシーンを聞くと、ミカちゃんっていう子のバレーボールの回をあげられることが多いです」と明かす。ミカが嫌な先輩の名前を覚えている間に、みつみは親切にしてくれた先輩の名前を覚えていたというそのシーンで、ミカは自己嫌悪に陥るが、高松は「主人公のみつみは、そういうポケットに落ちてしまったときそばにいてほしい友達、というイメージで生まれたキャラクター。読者の皆さんがポケットに落ちて、人生が後悔と喪失の連続なんじゃないかと思ったときに寄り添える作品になったら幸せ」と作品に込めた思いを語った。
さらに本日の贈呈式ではお笑いコンビの
第47回講談社漫画賞
少年部門
硬梨菜・
少女部門
総合部門
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