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宮本亜門の舞台「イノサン」は生々しさ全開!古屋敬多や梶裕貴らが意気込み

2021

下段左から梶裕貴、MIYAVI、宮本亜門、武田航平。上段左から深沢桂子、太田基裕、古屋敬多(Lead)、浅野ゆう子、横内謙介。

下段左から梶裕貴、MIYAVI、宮本亜門、武田航平。上段左から深沢桂子、太田基裕、古屋敬多(Lead)、浅野ゆう子、横内謙介。

坂本眞一原作による舞台「イノサンmusicale」の記者会見が、本日6月24日に東京・品川プリンスホテルメインタワーで開催された。

会見には演出を手がける宮本亜門、脚本の横内謙介、楽曲提供したMIYAVI、音楽監督の深沢桂子が登壇。またシャルル=アンリ・サンソン役の古屋敬多Lead)、アラン・ベルナール役をダブルキャストで務める梶裕貴武田航平、ルイ16世役の太田基裕、アンヌ=マルト役の浅野ゆう子が出席した。

宮本は本作の演出を担当することになった経緯を「このお話をいただいたのが、なんと今年始まってから。あまりにも急なので、ほかの演出家がやることになっていたんじゃないかと思いました(笑)。今まで2.5次元の舞台を手がけたことはないので『僕にできるのかな?』と思ったら、プロデューサーいわく“2.5次元ではないものを”(目指す)と言われてしまって。だったら、思い切ってチャレンジさせてくださいと言いました」と説明。また原作について「大変美しいマンガ、マンガを超えたアートだと思いました。坂本さんとお話させていただいたんですが、今まで原作者と会ってこんなにショックなことはないぐらい、坂本さんは現代日本の女性に対する差別に怒りを持っていた。その思いを全部ぶつけるところから『イノサン』は始まったと伺って、『だからか!』と腑に落ちるものがありました。フランス革命をきれいに描くのではなく、残虐で生々しく、見たくないものも見せられるマンガです」と述べ、フランス革命のリアルを舞台でも表現できたらと意気込む。横内は「僕が話を受けたのは去年の暮れぐらい。これまで“2.5次元っぽい”ものはいろいろやってきたんです。スーパー歌舞伎II『ワンピース』とかは、僕は歌舞伎だと思ってましたからね。そして次は正当な2.5次元に挑戦しようと思っていた矢先、宮本亜門という名前が降って湧いてきて。それならもう、2.5次元を越えようと。2.5次元に留まらせては面白くないなと思いました」と語る。

MIYAVIは「原作が本当に衝撃的で。この依頼をいただいて、自分がかかわって何ができるのかと迷いました。死生観などを含め、まだ理解しきれてない部分も正直あるんですが、女性の権利、そしてあの時代の生きるということに対しての渇望してる人々のパッションを自分のギターで表現できればと思いました」とコメント。深沢は本作における音楽の役割について「これから作っていくのですが、ロックな感じでいければと思います。どれだけ差別されながらも『最悪、最悪』って言ってバンバン男の人を切っていく、マリーの逞しさが音楽の中で表現できれば」と述べる。それを受け、宮本は「僕はMIYAVIさんの音楽性とパッションが本当に好きで。曲を聴いたときは『これだ!』と身震いしました。それを深沢さんにどんどん高めてもらって、今までにない舞台になる予感がしています」と自信を覗かせた。

ここでキャストたちが壇上に。中島美嘉とともにダブル主演を務める古屋は、自身演じるシャルルについて「フランス革命の時代に実在した人物です。過酷な時代背景の中、死刑執行人という一家の中に生まれて壮絶な人生を送った方。よりリアルに演じられたらと思っていますし、なんと言っても美しさというものを意識していけたらと思います」と述べる。ミュージカル初挑戦の梶は、アランに対し「フランスとアフリカの混血で、18世紀フランスの社会において異質な存在に映るキャラクターです。その中でも彼は誇り高く、自分の信念をまっすぐ貫くという男。とても共感する部分があるので、その気持ちを大切にしながら真摯に演じていければと思います」と話す。梶とダブルキャストでアランを演じる武田は「サンソン家は死刑執行人として国を背負っていくという過酷な命を受けているわけですが、アランは純粋に夢や希望を謳いながら時代と戦っていくという選択をした男です。僕も純粋な気持ちで、夢や希望を声高に謳って演じていきたいと思います」と語った。

太田は「ルイ16世はフランスという国に絶望しながらも、フランスを変えていこうと葛藤し、もがき、戦い続けた人物です。『イノサン』という耽美な世界観の中で、人間くさく、繊細に、美しく演じていければいいなと思っています」と気合十分な様子。浅野はアンヌ=マルトについて「シャルルを立派な死刑執行人に育て上げるために、今ではちょっと考えられないぐらいの折檻をするんです。すごく怖くて厳しい方。私の身内にこういう人がいたら、目も合わせられないだろうなという女性です」と言いながら、古屋のほうを見て「がんばって耐えてね。折檻するから(笑)」とジョークを飛ばす。古屋はタジタジになって頭を下げ、会場の笑いを誘った。

また会見には、本日の会見に参加できなかったマリー=ジョセフ・サンソン役の中島から「『イノサン』との出会いはフラっと立ち寄った本屋さんで、とてもきれいな絵だなあと表紙に惹かれ、思わず全巻買いしたところからでした。その後、某番組にてずっとお会いしたかった坂本先生との対談が叶い、そして今回『イノサンmusicale』のお話をいただき、私の大好きなマリー=ジョセフ・サンソンを演じさせていただけること、とても光栄に思っております」とメッセージが到着。宮本は中島にオファーした理由を記者から尋ねられると、「正直に言いますと、中島美嘉さんが出ると聞いて寄ってきた宮本です(笑)。僕は(中島が出演してる)『NANA』が大好きで。『イノサン』の中でマリーは、まあ生意気なんですよ。でもなんとも魅力的で、何を考えてるんだろうと思いを巡らしてしまう。ポソポソっていう一言一言の間にドラマがある面白い役柄で、これを中島さんがやったらピッタリじゃないかと思いました」と語った。

最後に古屋は観客に向け、「『イノサン』の芸術的な美しさを舞台で体感してほしいです」とアピール。宮本は「まずは、フランス革命の裏にあった事実を知っていただきたい。それとともに、この作品には現代人に伝えたいメッセージが山のように入ってます。舞台を観ていただいくと、今の日本って、世界ってどうなんだろうみたいなことも省みることができると思います。生々しく、衝撃的。そして今回の舞台(に参加しているの)はチャレンジャーだらけです。全員が、新たな形のステージを展開できることを楽しみにしています。皆さんにとってショックで衝撃的で、面白いと思うのでぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」と言葉を送った。

原作の「イノサン」「イノサンRougeルージュ」は、18世紀のフランスで国王ルイ16世の斬首刑の指揮を執った実在する死刑執行人・シャルル=アンリ・サンソンと、その妹であるマリー=ジョセフ・サンソンの生き様を描く物語。舞台は11月29日から12月10日まで東京・ヒューリックホール東京で上演された後、2020年2月にフランス・パリでも公演が行われる。

※記事初出時、一部キャプションに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

「イノサンmusicale」

日程:2019年11月29日(金)~12月10日(火)
会場:東京・ヒューリックホール東京

スタッフ

原作:坂本眞一(「イノサン」「イノサンRougeルージュ」集英社刊)
脚本:横内謙介
演出:宮本亜門
企画・運営:Jnapi L.L.C.

キャスト

マリー=ジョセフ・サンソン:中島美嘉
シャルル=アンリ・サンソン:古屋敬多Lead
アラン・ベルナール:梶裕貴武田航平(Wキャスト)
マリー=アントワネット(フランス王妃):小南満佑子
ジャック:荒牧慶彦
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:鍵本輝(Lead)
オリビエ・ルシャール:多和田任益
デュ・バリー(マリー=ジャンヌ・ベキュー):貴城けい
アンドレ・ルグリ:前山剛久
トーマス=アーサー・グリファン:佐々木崇
ド・リュクセ:林明寛
ルイ=オーギュスト(フランス国王ルイ16世):太田基裕
アンヌ=マルト:浅野ゆう子

(c)坂本眞一/集英社

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