「LUPIN THE IIIRD」シリーズの「次元大介の墓標」「血煙の石川五ェ門」「峰不二子の嘘」と、劇場初上映となる「銭形と2人のルパン」、最新作「
一方石井は「ルパンを懲らしめる事のできる敵のデザインと、大まかな原案を担当しました」と小池シリーズでの自らの立場を伝え、「僕は旧『ルパン』(「ルパン三世PART1」)の5話くらいが好きだったので、その線だったら協力できるのではないかと思った」と振り返った。また石井は「次元大介の墓標」「峰不二子の嘘」「不死身の血族」に登場するキャラクター・ヤエル奥崎がお気に入りなのだとか。「一番に考えた敵役で、こいつだったらルパンを倒せるのではないかと思ったし、小池さんも乗ってくれるのではないかと思った」と思い入れを語った。小池監督も「僕も大好きです」と頷き、「『峰不二子の嘘』で復活させることができてよかった」とうれしそうに話す。また石井は、ホークのモデルがプロレスラーのハルク・ホーガンであることも明かした。
観客からの質問に答えるコーナーでは、“不死身”のムオムに沖縄古典空手の型・三戦(サンチン)を取り入れた理由が尋ねられる。石井は「サンチンには500年の歴史があり、当時は沖縄の限られた人しかできなかった空手の型でした。しかもサンチン使いには不思議な力を出す人が多いので、それをムオムに反映させたら面白いのではないかと思った」と回答した。また長らく次元大介の声を務め、2022年7月に亡くなった小林清志とのエピソードを問われた浄園氏は「アフレコ現場でボソッと『このカットいいな』『ルパンの表情いいな』とか感想を言ってくれたことが何度かありました。面と向かっては言わないけれど、ボソッと漏らしたような言葉がブースに伝わって聞こえてくる。そのようなカットがいくつかあってうれしかったです」と回想。小池監督も「アフレコをしていてこちらがOKと言っても、ご本人がもう一度挑戦したいと言われて何度か挑んでもらったこともあります。作品を自分なりに掘り下げて自分のベストを出そうと意気込まれていたのがとても印象的でした」とプロフェッショナルぶりを紹介した。
“小池ルパン”においての五ェ門のこだわりを聞かれた小池監督は「無敵の剣士という側面だけではなく、弱点や未熟さを表現する必要があると思ったので、修行シーンを作ったり、殺陣のコンテを丁寧に作っていきました。リアルな雰囲気の五ェ門の殺陣を見ていただきたかった」と解説。対して石井は「五ェ門のちょっとした動きもいい。高い所を登るときにガニ股になったりして渋い」と独自の視点で観客の笑いを誘う。続いて浄園氏は「地に足の着いた五ェ門像にすることで、斬鉄剣の切れ味とその痛みをリアルに描きたかった」と狙いを述べた。小池監督によると、不二子の造形はヨーロッパを代表するモデルで女優のジェーン・バーキンにインスパイアされたのだという。「僕は彼女が活躍した1970年代のファッションが好きだし、モンキー・パンチ先生が描かれるボンドガールのような峰不二子が好きでした。僕のシリーズではその雰囲気をイメージしつつ、楽しんで衣装を作っていきました」と魅力を伝えた。
イベントでは「不死身の血族」の上映に合わせて、8月15日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で「LUPIN THE IIIRD」シリーズ4作品と、「ルパン三世」劇場映画第1作目「ルパン三世 ルパンVS複製人間」が上映されることを発表。情報を聞いた観客から拍手が起こった。最後の挨拶では、小池監督が「僕が好きだったルパンの世界観、キャラクター、ストーリーを存分に詰め込んだのが『LUPIN THE IIIRD』シリーズです。これから存分にお楽しみください」と自信をのぞかせた。石井は「小池さんの“間”がとてもいい。対決のシーンの間をどう撮ったのか、じっくりとご堪能ください」と見どころをアピールし、イベントは終了した。
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劇場版アニメーション「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」
公開中
スタッフ
原作:
監督:
脚本:高橋悠也
音楽:ジェイムス下地
クリエイティブ・アドバイザー:
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
製作・著作:トムス・エンタテインメント
配給:TOHO NEXT
キャスト
ルパン三世:栗田貫一
次元大介:大塚明夫
石川五ェ門:浪川大輔
峰不二子:沢城みゆき
銭形警部:山寺宏一
スペシャルゲスト
ムオム:片岡愛之助
サリファ:森川葵
ルウオ:鈴木もぐら(空気階段)
フウア:水川かたまり(空気階段)
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しまふく @simafuku
【イベントレポート】「LUPIN THE IIIRD」“小池ルパン”不二子の造形に影響与えた人物は、監督が秘話語る https://t.co/pgfVPL9QWD
なるほど、ジェーン・バーキン