ビッグコミック(小学館)の企画展「ビッグコミック50周年展」が、明日11月10日から2019年1月14日にかけて神奈川・川崎市市民ミュージアムにて開催される。それに先がけ、本日10月9日にはオープニングセレモニーと内覧会が行われた。
オープニングセレモニーには
同じ質問に藤子は「ビッグ(コミック)が創刊するとき、残念ながら僕にはお呼びがかからなかったんですね」とぼやき、会場の笑いを誘う。「非常に不満でね、悲しかったんですけれども(笑)。その後、小西(湧之助)さんという癖の強い編集長に『あんた、1本うちの雑誌で描いてくれ』と言われて。ちょうど僕も少年マンガを描くのが非常に苦痛になったときだったので、『黒イせぇるすまん』というブラックユーモアのマンガを描いたんです。そのおかげで、僕の新しいマンガの世界が広がったので、そういう意味でビッグコミックには非常に感謝しております」と述べる。
ちばも「(創刊当時は)私も声がかからなかった(笑)」と藤子に同調しながら、「当時マンガというのは子供のものだったんですよね。それが大人の世界を描ける本ができたというのは非常にうれしかったので、『いつか声をかけてほしいなあ』と思っていました」と話す。また創刊してしばらくし、いざ連載を始めたときのことを「大人の世界が描けると思ってたのに、私の母親がいつも検閲してたので、色っぽい話を描くと検閲に引っかかっちゃって。『さいとうさん羨ましいなあ』と思って見てました(笑)」と振り返った。
最後に3人へ、「これからのビッグコミックに期待することは?」という質問が。11月頭に82歳の誕生日を迎えたさいとうは、「私はもうすぐでしょうけども、それまではなんとか描かせてもらいたいと思います」と冗談交じりに意気込む。藤子が「この中でさいとう氏だけはね、創刊からずっと『ゴルゴ』を描いてるわけだから大変なことでね。僕らの中の代表として、いまだに現役として活躍してくれてます」と声をかけると、さいとうは「ずっと僕のことを“希望の星”って言ってくれてたんだけどね、最近は『“希望の星”でもなんでもない、ただの“化け物”だ』って言うんです(笑)」とほのぼのとするエピソードを明かした。
ちばは「これからはね……もうすでになっていてますけど、Webの時代でしょ。コンピューターでどんどん世界中に発信されるんで。フキダシの中も翻訳されて、ちょっと絵が動くとか、いろんなことが試せるんだろうなあ。それを『ゴルゴ』で見たいです」とリクエスト。それを受け、さいとうは「がんばりたいですけどね、風邪ひいただけで大変な目におうております。でもまあ、この人がいる限りは……」と、3人の中で最年長の藤子を見る。藤子は「いやいやいやいや」と謙遜しながら、「ちょっと、一言いいですか」と挙手。「まったく関係ないんですけどね、僕の展覧会(「藤子不二雄(A)展 -(A)の変コレクション-」)が六本木でやってますんで。ぜひ、そっちのほうも宣伝してください。よろしくお願いします」と力強くアピール。年齢を重ねても衰えない勢いに会場は笑いに包まれ、イベントは和やかに幕を閉じた。
会場には1968年の創刊当時から現在に至るまで、誌面に掲載された作品の原画や複製原画パネル、資料などを展示。50年の歴史を6つのパートに分け、その歩みを辿っていく。展示される作品は手塚治虫「地球を呑む」、さいとう「ゴルゴ13」、藤子「黒イせぇるすまん」、ちば「のたり松太郎」、
関連する特集・インタビュー
「ビッグコミック50周年展」
期間:2018年11月10日(土)~2019年1月14日(月・祝)
会場:神奈川・川崎市市民ミュージアム 企画展示室2
休館日:毎週月曜日(12月24日、1月14日は開館)、12月25日(火)、年末年始(12月29日~2019年1月3日)
料金:一般800円(640円)、学生・65歳以上600円(480円)、中学生以下無料
※()内は20名以上の団体料金。*障害者手帳などを持参した人およびその介護者は無料。
関連記事
さいとう・たかをのほかの記事
リンク
- ビッグコミック50周年展 | 川崎市市民ミュージアム
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
魔訶不思議( 新刊「がちろ」)よろしくお願いします @maka_fusigi
【イベントレポート】さいとう・たかを、藤子A、ちばてつや集結!ビッグコミック50周年展が明日から(写真83枚) - コミックナタリー https://t.co/VAs2iTuvxB