THE BACK HORN「リヴスコール」を届けた圧巻武道館

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昨日1月6日、THE BACK HORNが全国ツアー「KYO-MEIツアー ~リヴスコール~」の一環で東京・日本武道館公演を行った。

「KYO-MEIツアー ~リヴスコール~」日本武道館公演の様子。(撮影:ほりたよしか)

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2008年6月の「KYO-MEIライブ~裸足の夜明け~」から3年7カ月ぶり、2回目の武道館単独公演となった今回。前回は結成10周年を記念した集大成的な趣があったが、今回は最新アルバム「リヴスコール」の楽曲を軸にしたセットリストが組まれ、今のTHE BACK HORNをオーディエンスに届ける内容となった。

暗転と同時に、柔らかなSEがスピーカーから流れ、ステージ後方のスクリーンにタペストリーのように木々や動物が次々と描き出されていく。絵が完成したと思われたそのとき、メンバーのシルエットが浮かび、「リヴスコール」の1曲目を飾る「トロイメライ」からライブが始まった。山田将司(Vo)はマイクを両手でつかみ、深みのある歌声を武道館中に響かせる。曲がクライマックスに近付くに従い、ステージは明るく照らされ4人が光で包まれていった。「こんばんは、THE BACK HORNです」というおなじみの挨拶に続いたのは、「シリウス」「声」など疾走感のあるナンバー。山田、菅波栄純(G)、岡峰光舟(B)は客席に突っ込まんばかりの勢いで激しく動き回り、松田晋二(Dr)はフロントの3人を引っ張るような重厚なリズムを刻む。ツアーも終盤戦ということで、MCにも力がこもるメンバーたち。松田は「THE BACK HORNと皆さんで濃密な空間を作っていきたいと思いますんで、最後までよろしくお願いします!」と叫ぶと次のブロックへと進んだ。

4人は「リヴスコール」の世界観を大切にしながら、過去の楽曲も随所に織り交ぜたライブを展開。「墓石フィーバー」では激しく明滅する赤いライトが不気味なムードを演出し、「閉ざされた世界」では山田の魂を振り絞るような歌声がオーディエンスを熱狂させる。ヘビーな楽曲でひとしきり会場の熱を引き上げたあとは、バラードで優しく観客を包み込む流れに。穏やかなアンサンブルの上に伸びやかな声が乗った「いつものドアを」、菅波が柔らかなハーモニクスとアルペジオを奏で、水面を映した映像にあわせて山田がたゆたうような歌声を響かせた「風の詩」と続いた。イントロでどよめきが起きた「美しい名前」では、山田は祈るようにマイクを握りしめ、声を枯らしながら熱唱。松田の後ろからは灯台のようなライトが客席に向かって照らされ、厳かな空気が作り出される。

バラード続きのコーナーが終わると松田は「濃密な感じがしますね……」とその余韻に浸ってる様子。真剣なトークが続くのかと思いきや、そのあとは岡峰による武道館トリビアが披露されたり、ステージで柔道の受け身をするしないの話になったりと、急にアットホームな雰囲気に。また話は東日本大震災と「リヴスコール」にもおよび、松田は「俺らの音楽でみんながパワーを貯めて、復興の力にしていけたらと思ってる」と力強く述べた。

「自由」を皮切りに始まった後半戦は、勢いのある楽曲が中心に披露された。中でも出色だったのは「星降る夜のビート」。カラフルなライトを浴びながら、山田はステップを踏み、岡峰と菅波も跳ねながら楽器を操る。さらに間奏の遊び心あるセッションと相まって会場は和やかな空気で包まれた。

「コバルトブルー」「戦う君よ」「シンフォニア」というライブアンセム3連発を経て、本編最後のMCは山田が担当。観客の声援を受けた彼は朗らかな声で「ありがとう。思い思いの呼び方で呼んでくれ。本当にうれしいです。ありがとう」と何度も感謝を口にする。そして「俺たちはずっとステージの上にいるからさ。いいことばっかじゃないけど、またうわー!ってやりにきてよ」「これからもTHE BACK HORNをよろしく! また会いましょう。THE BACK HORNでした」と告げると、「世界中に花束を」を歌い始めた。スクリーンには祈るように歌う4人の姿が映され、それにあわせてオーディエンスの大合唱が起きる。メンバーと観客の歌声は自然とひとつになり、会場いっぱいに響きわたった。

アンコールでは本編と同じ格好のままでメンバーが揃って再登場。松田は「すごいいい夜になりましたね。ありがとう。なんだかんだで音楽最高ですね。そんな実感があります」と破顔すると、その言葉を体現するように「ミュージック」のイントロを鳴らした。さらに本編以上の熱量で届けられた「ラピスラズリ」「刃」をプレイした4人は、ラストナンバーとして客電が点く中で「サイレン」をパフォーマンス。岡峰と菅波はモニターの上から会場全体を見渡し、山田は歌詞を噛み締めながら歌う。アンコールを含め20曲を演奏し終えたメンバーは、両手を振り、何度も客席に向かってお辞儀をする。ツアーはまだ途上ではあるが、全員が確かな手応えと充足感を得ていることがその姿から伺えた。

なお武道館公演を無事終えたTHE BACK HORNは、「KYO-MEIツアー ~リヴスコール~」の追加公演として東北3カ所のライブハウスを行脚。また2月6日にツアーのライブ音源を収録したライブアルバム「KYO-MEIツアー ~リヴスコール~」を、3月27日に武道館公演の様子を収録したライブDVD「KYO-MEIツアー ~リヴスコール~ at 日本武道館 2013.1.6」をリリースする。

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