椎名林檎、台湾で1万人熱狂させた“長く短い祭”

椎名林檎が8月16日、自身初の海外公演「椎名林檎 (生)林檎博'15 -垂涎三尺-」を台湾・台北南港展覧館にて開催した。

会場には、1時間でソールドアウトしたというチケットを手に、この日を待ちわびた1万人が集結した。観客がステージに注目する中、披露された1曲目は「茎（STEM）～大名遊ビ編～」。巫女風の衣装を着たダンサーのSAYAとYUKAを左右に従え、朱色の長襦袢を着た椎名が床に膝を付いた姿勢からゆっくりと立ち上がると、観客の興奮は早々にピークへと達した。2曲目に彼女は疾走感あふれるロックチューン「ＮＩＰＰＯＮ」を投下する。その後中国語で「ニーハオマ？（お元気ですか？）」と呼びかけ、矢継ぎ早に「自由へ道連れ」「ありあまる富」を演奏した。

椎名はこの公演のためのスペシャルバンド・MANGARAMAのメンバーである浮雲（G）、名越由貴夫（G）、鳥越啓介（B）、玉田豊夢（Dr）、ヒイズミマサユ機（Key）らとともに次々と楽曲を披露。最新アルバム「日出処」収録の「走れゎナンバー」や、8月5日にリリースされたばかりのシングル曲「神様、仏様」、さらにこの公演に先駆けて現地限定でリリースされた台湾公演記念盤「垂涎三尺」収録の「罪と罰」「本能」「歌舞伎町の女王」といったキャリア初期の名曲を堂々と歌い上げる。終盤は「密偵物語」「殺し屋危機一髪」「カリソメ乙女 DEATH JAZZ Ver.」といった高速ジャズナンバーを畳みかけ、大盛り上がりのうちに本編を終えた。

アンコールでは、通訳を介しながら、日本語に中国語を交えてMCを展開。「台湾が気に入ってしまったので、呼んでいただけたらまたすぐに来てもよろしいでしょうか？」という椎名の問いかけに、1万人の観客は手旗を振ったり拍手をしたりというジェスチャーで応える。そんな喜びの表れと言わんばかりに、浮雲とのデュエットによる新曲「長く短い祭」では、花道を歩いてきた2人に多くの観客が押し寄せる一幕もあった。そして最後は「旬」が飾り、全23曲のステージは大団円を迎えた。

なお、彼女は10月14日に全国ホールツアー「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」をスタートさせる。日本国内のファンもライブを楽しみにしておこう。