大根仁が批評家大賞で監督賞、吉永小百合＆山田洋次がダイヤモンド大賞受賞

第25回日本映画批評家大賞実写部門の授賞式が5月26日、東京・東京芸術劇場にて開催された。

日本映画批評家大賞は、映画界を励ます目的のもと現役の映画批評家たちが選定する映画賞。佐藤健と神木隆之介がダブル主演を務めた「バクマン。」で監督賞を受賞した大根仁は「自分ではまだまだ映画監督とは名乗れない、まだ新人という気持ちだったのですが、このような賞をいただき、これからは自分で『映画監督です』と名乗っていきたいと思います」と決意を明かす。

監督賞の受賞時には、プレゼンターとしてうつみ宮土理が登壇。大根は「昔から日本映画が大好きで、初めて劇場で観た映画は愛川欽也さんが企画された『トラック野郎』でした」と、2015年に逝去したうつみの夫・愛川欽也への思いに触れ、「うつみさんが（授賞式に）いらっしゃるということを知らず、その偶然に感動しています」と述べると、会場からは大きな拍手が上がった。

作品賞に選ばれた「ソロモンの偽証」前後編の監督、成島出は「映画に出会ってなかったら、僕はもうこの世にいなかったと思う。映画に生かされてきたという思いで壇上に上がっています」と挨拶。「僕の師匠でもある相米慎二さんもそれは一緒だと思う。この作品は僕が51歳、相米さんが亡くなった年齢のときに関わり始めた」と続け、感慨にふける。

76歳にして初監督を務めた「ゆずり葉の頃」で特別賞を授与された中みね子は、夫で映画監督の故・岡本喜八との思い出を述べつつ、「35年ぶりに執筆した脚本を八千草薫さんに見せたら『やってみなさいよ』と言ってくださって。あんなに美しい人にそう言われて、魔法にかかったみたいに取り組みました」と振り返る。一方、ゴールデン・グローリー賞を贈られた草村礼子は「私は今75歳なんですが、100歳まで現役を貫いて、観た方がニコニコ笑えるような映画に参加していきたい。今日はこれからの四半世紀のいいスタートをいただいたと思っています。これからもよろしくお願いいたします」と意欲を語り、深く頭を下げた。

“日本映画を支え日本映画の栄光のために尽力した人物”へ贈られる最高賞にあたるダイヤモンド大賞は、「おとうと」「母と暮せば」などでタッグを組んできた吉永小百合、山田洋次がそれぞれ受賞。仕事の都合で出席は叶わなかった吉永は「これまでに119本の映画に出演させていただきました。とても映画が好きです。これからも映画の世界で少しずつ仕事をしていけたらいいなと思っています」とビデオメッセージを寄せた。山田は「歳を取った監督が作るべき作品は何か、そのようなことを考える歳になりました」と口火を切り、「僕だからできる映画を考えている中、このような賞をいただけてとてもうれしく、幸せです」と喜びを語った。

第25回日本映画批評家大賞実写部門の受賞結果は以下の通り。

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