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震災を描き残す「ストーリー311」2巻、読者の支援受け刊行

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東日本大震災をマンガで伝えるプロジェクト「ストーリー311」の単行本2巻にあたる「ストーリー311 あれから3年」が、本日3月11日にKADOKAWAから発売された。

「ストーリー311」はひうらさとるが発起人となり、有志作家が震災の「語り部」的な役割を果たそうと始まったプロジェクト。ボランティア団体協力のもと作家が現地取材を行い、現地で生まれた物語をマンガ化している。2013年3月11日に発売された単行本第1巻には、ひうらをはじめ、上田倫子、うめおかざき真里岡本慶子さちみりほ新條まゆ末次由紀ななじ眺東村アキコ樋口橘が参加した。

第1巻の刊行後は読者や東北各地からの反響を受け、協賛企業の募集やクラウドファンディングによる資金募集を行い、第2巻「ストーリー311 あれから3年」の刊行が決定。本日発売の「ストーリー311 あれから3年」には、前巻から引き続きひうら、うめ、岡本、さちみ、新條、ななじが執筆したほか、青木俊直おおや和美二ノ宮知子葉月京松田奈緒子が新たに加わっている。

なお第1弾の単行本「ストーリー311」をベースにしたノベライズ「あの日起きたこと 東日本大震災 ストーリー311」もKADOKAWAから発売中。いずれも印税・著作権料全額と収益の一部は東北の被災地復興のために寄付される。

ひうらさとるコメント

「ストーリー311 あれから3年」、皆様のお手を借りて素晴らしい本になりました! 前回もたくさんの協賛やご協力をいただいたのですが、今回はクラウドファンディングを経て一般の方々からの貴重なご支援をいただいているので、期待に応えるものにせねばと更に気合いを入れてみたり、プレッシャーと〆切に泣いてみたり、いやでもこの人たちの声を届けるのだと取材写真を見ては初心に帰ってみたり……でした。まとまったものを読み返してみて、マンガとは作品の中で自在に時代を操りながらも本当に“今”の空気を描いてしまうメディアなんだなと思いました。どの作品にもあの日と3年後の今が息づいています。ぜひ読んでみて下さい!

松田奈緒子コメント

ひうらさとるさんからお声をかけていただき、参加させてもらいました。直接被害を受けていない私が、被災地にはいっていいものかと戸惑う部分もありましたが、伺ってよかった。取材させていただいた現地の方々のお話や、世界中から集まっているボランティアの方々の姿、復興していく町の姿、今、生きてこの瞬間しか見られない世界をみせていただいて感謝しております。復興とともに寄り添う、息の長いシリーズ本に育ちますよう、みなさま宜しくお願いいたします。

樋口橘コメント

日々、生きていくためにつらいことは人間忘れる力をもっていて、それがあるから日々前を向いて頑張っていけるのだと思います。東日本大震災が起きた時もそうでした。あのショックをいつまでも強く引きずったままだと、日常生活にうまく戻れないという思いから、脳が忘れる作業をどこか頑張っていたと思います。だけど決して忘れることは出来ないし、忘れるわけにはいかないです。震災の渦中の土地の皆さんの口から語られたあの日からの経験、思いを、マンガを通じて皆さんの心に留めて、何かそこから出来ることはないか、という思いから、手探りと試行錯誤の中、「ストーリー311」第1弾が発行されました。今読み返しても、当時の生々しい戸惑いが伝わってくる、多くの皆さんの強い思いがこもった本だと思います。
そしてこの度、第2弾である「ストーリー311 あれから3年」が発売されました。私の知らない現地の「今」が、様々な思い・目線で詰まっていて、言い表せない色んな思いが胸を何度も駆け巡りました。この未曾有の災害の、実在の方々のお話を8pに込めて届ける作業は本当に大変で、個人的に、多忙な身で続けて2度この企画に参加された先生方には本当に頭が下がる思いです。ただそういった個人的な思いからだけでなく、被災された土地の今や、その土地の人々の思いや学びや、自分達に何かできるのかといったことに関するヒント等を知るツールとして、この本はすごく分かりやすくて優れた本だと改めて感じさせられました。皆様是非に読んでほしい本です。きっと皆様にとって大切な本になると思います。

※記事初出時、参加作家名に漏れがありました。お詫びして訂正いたします。

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