「とびだせ! つづ井さん」2巻の刊行を記念したトークショーが、去る4月5日に東京・青山ブックセンター本店で開催され、作者の
先日は花見に行ったり、今後もアフタヌーンティーに行く予定があるという友人同士の2人は、地球のお魚ぽんちゃんが着ぐるみ姿のつづ井の手を取る形で仲良く登場。「とびだせ! つづ井さん」2巻で印象に残ったエピソードとして、地球のお魚ぽんちゃんは、突如とある男性アイドルに心を鷲掴みされることになったつづ井の一連の様子を挙げる。つづ井も「まだ混乱の渦中にいるというか、自分の中でも噛み砕けていない戸惑いを、リアルタイムで絵日記にしている感じでした」と心境を語る。「これまで好きだった情報量の少ない推しとのギャップがとんでもなくて。アイドルを推すとこんなことになるんだと、新鮮に噛み締めています」と明かした。
昨年10月にはドラマ「つづ井さん」がオンエアされ、今年4月からはドラマ「霧尾ファンクラブ」が放送されるという、自身の作品のドラマ化を経験した2人。つづ井は「(自分の作品は)創作物というより絵日記という感覚が強い。ずっと前にメディアミックスのお話をいただいたときは、自分の日常に他人の解釈が入って再構築していただくというのが、『怖い』という気持ちがあって、お断りしたこともあるんです」と告白する。そして「今回は気持ち的にそうだった、としか言えないんですけど、任せても大丈夫な気がすると思ったんです。月日が経って、自分が描いてきたものに対しても自信が持てたので、(自分自身も)揺るがないなと。楽しめるなと思ったのでお任せして、そしたら大成功でした!」とうれしそうに言葉にした。
ドラマ「つづ井さん」も楽しく視聴していたという地球のお魚ぽんちゃん。今月放送が開始となったばかりのドラマ「霧尾ファンクラブ」について、「原作でも霧尾くんの顔が出てこないので、実写化するにあたって、スタッフさん、キャストさんも原作のそういった設定を尊重してくださっているんです。第1話を観させてもらったときは、自分の作品なんだけど『すごく素敵だな』と、いい意味で客観視できた。ドラマ『つづ井さん』もそうですけど、キャストさんの演技によって、マンガとは別のベクトルの面白さが生まれる」と印象を語った。
またイベント内では「ギャグマンガ家としてお互いの作品をどう思うか?」というトークテーマも飛び出す。地球のお魚ぽんちゃんは「つづ井さんの作品をずっと読んでいて思うのは、つづ井さんは芯がある人。変わらない芯があるのに、すごく柔軟だなと。それは『裸一貫!つづ井さん』が出たときに感じて」と思い返す。「人間だから月日を重ねていく中でいろいろ考え方も変わっていくけれど、そういうところをすごく柔軟に作品にアウトプットできていて。さらに面白くなっているっていうのが、読者としても作家仲間としても尊敬している」と称賛。つづ井はうれしそうに「ええ……。この間2人でご飯を食べたときは、2時間くらい角刈りの話しかしてなかったのに……」と、しみじみとした様子で地球のお魚ぽんちゃんの言葉を受け止めた。
一方、つづ井は地球のお魚ぽんちゃんについて「お互い“あのときのTwitter”をサバイブしたものたちという感覚がある」とコメント。「ギャグを描くものとして、面白いことと、『これは笑えないぞ』っていうもののラインが近しいから、お互いの作品を楽しめるし、友人同士としても仲良くしていただけているのかなと思っています」と述懐する。続けて「私はフィクションを描く機会がないので、フィクションでギャグマンガを描くってすごくハードルが高い。『今から面白いこと描きまーす!』というか、『嘘の面白い話をしまーす!』って言って、本当に面白い話をしてるからすごい」と分析。「(絵日記を描いている)私は『面白いと思うかは皆さん次第ですけど、本当のことなので』という顔ができるんですけど、フィクションのギャグマンガ家は覚悟が必要だなと。そこがカッコいいと思う」と話すと、地球のお魚ぽんちゃんは「えー、うれしい。ありがとう。手つないで帰ろ」と喜んだ。
そのほかイベントは、つづ井が“前世からの友”たちと遊んだときの写真を紹介しながら、地球のお魚ぽんちゃんと遊んでみたいことを語り合ったり、地球のお魚ぽんちゃんがつづ井に聞いてみたいことを一問一答形式で質問したりと、楽しげな様子で進行。「作風で影響を受けているマンガはありますか?」「マンガ家としてオンとオフをどう切り替えていますか?」と、そこそこ真面目な質問をもとに2人のトークが繰り広げられていくと、イベントは終了の時間が迫る。用意されていた質問が飛ばされていく様子がスクリーンに映し出されながら、地球のお魚ぽんちゃんが「最後にこれだけ聞きたい!」と出したのは「角刈りにしてみたいですか?」という議題。客席からは笑いが起こるが、つづ井もこの問題には真剣に向き合っているようで、「『えー、(角刈りに)してもいいけどー』って感じじゃないんですよね」と共感する。「“めちゃくちゃ角刈りにしたい自分”と“絶対にしたくない自分”がいる」と主張する地球のお魚ぽんちゃんにつづ井も同意し、「これ(この議題)はすごいです。感動しました……」と、なぜか心を動かされていた。
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つづ井 @wacchoichoi
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