稲垣吾郎が挑む4度目の「No.9」、ベートーヴェンのような白井晃と“舞台を突き詰められる喜び”語る

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9月中旬に東京都内で「No.9 ー不滅の旋律ー」の合同取材が行われ、本作で4度目の主演を飾る稲垣吾郎が記者たちの質問に答えた。

稲垣吾郎

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「No.9 ー不滅の旋律ー」ビジュアル

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「No.9 ー不滅の旋律ー」では、ドイツの音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが活躍した19世紀初頭のウィーンを舞台に、ベートーヴェンが「交響曲第9番」を書き上げるまでの苦難や葛藤、喜びが描かれる。劇団☆新感線の中島かずきが作劇、白井晃が演出、三宅純が音楽監督を担い、2015年に初演された本作は、2018・2019年、2020・2021年と上演が重ねられてきた。稲垣は初演から、自身の“激情”でさまざまな事態を乗り越えてきた主人公ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを演じてきた。2024年公演の会期中、稲垣はベートーヴェンを演じて100回目の公演を迎える。

稲垣吾郎

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稲垣は、今回の上演が決定したときの気持ちを「うれしかった」と率直に語り、「ずっと続けていきたいと思っていた作品。キャスト1人変わるだけでも、音楽1つ変わるだけでも、様子が違うものになります。鮮度を保ちながら新しい気持ちでまた演じることができると思うと、楽しみです」と微笑む。また3年ぶりに台本を読むにあたり、「本番のときのように鼓動が激しい状態で読まないと、感覚が呼び覚ませられない」と考えたそうで、トレッドミルに乗り、心拍数を上げながら読んだことを明かした。そのような状態で臨まなければならないベートーヴェンという人役について、稲垣は「起伏の激しい人。僕にはないものを持っていると思う反面、“自分も同じかも”と感じさせられる瞬間もあります。100回近く演じてきてもつかみきれない役ですが、今回も僕なりのベートーヴェンを作れたら」と意気込みを見せる。

稲垣吾郎

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「No.9」は初演から数えると約10年もの間、稲垣が向き合ってきた作品となる。長く演じてこられた理由を問われると、「音楽が偉大だからかな」と即答。「ベートーヴェンという人物もそうですが、彼が作り出した音楽の素晴らしさに触れていたい。それを伝える人間として参加できるのであれば、という気持ちがあります」と続ける。さらに、「“つかみきれない”とは言いましたが、ベートーヴェンには意外とわかりやすい面もあって。何に対しても全力で挑み、裏がない人なんです。音楽、家族に対しても正直で。だから誤解されてしまうこともありますが、そこに矛盾があるわけではない。僕もそんなふうに生きられたらと思うことがあります。自分はバランス良くやってしまうタイプなので、俳優であれ、アーティストであれ、周囲が見えなくなるほど没頭して作品を作り続けられることに憧れます」と、いかに作品とベートーヴェンに魅了されているかを話した。

稲垣吾郎

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稲垣は、ベートーヴェンの音楽に対する情熱は、演出家・白井の演劇に対する姿勢にも通じると分析する。「白井さんは、決して諦めません。完成したものを破壊して、再構築する勇気をお持ちなんです。だからこそ進化し続けられるし、(何度上演しても)舞台の鮮度を保ち続けることができる」と語り、幕が開いてからも毎公演、白井からノートを受け取ること、俳優としても見守られながら芝居ができる喜びがあることを話した。また「1つのことを追求し続けられる舞台の世界は、僕の気質に合っていると思う」と続けた。

「No.9 ー不滅の旋律ー」出演者

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最後に稲垣は「マリア役が深まってきている剛力彩芽さん、ずっと舞台を拝見していた南沢奈央さん、『サンソン』でもご一緒した崎山つばさくん、安心できる僕のお友達の片桐仁さんとで、さらに新鮮でパワーアップした『No.9』をお届けできればと思います」と結んだ。

公演は12月21日から31日まで東京・東京国際フォーラム ホールC、来年1月11・12日に福岡・久留米シティプラザ、18日から20日まで大阪・オリックス劇場、2月1・2日に静岡・アクトシティ浜松 大ホールで行われる。東京・福岡・静岡公演分のチケット販売は11月16日10:00、大阪公演分は12月21日10:00にスタート。

「No.9 ー不滅の旋律ー」PV

この記事の画像・動画(全7件)

No.9 ー不滅の旋律ー

2024年12月21日(土)~2024年12月31日(火)
東京都 東京国際フォーラム ホールC

2025年1月11日(土)~2025年1月12日(日)
福岡県 久留米シティプラザ

2025年1月18日(土)~2025年1月20日(月)
大阪府 オリックス劇場

2025年2月1日(土)~2025年2月2日(日)
静岡県 アクトシティ浜松 大ホール

スタッフ

脚本:中島かずき
演出:白井晃
音楽監督:三宅純

出演

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:稲垣吾郎
マリア・シュタイン:剛力彩芽
ヨハン・ネポムク・メルツェル:片桐仁
ナネッテ・シュタイン・シュトライヒャー:南沢奈央
カスパール・アント・カール・ベートーヴェン:崎山つばさ
ニコラウス・ヨーハン・ベートーヴェン:中尾暢樹
ヨハン・アンドレアス・シュトライヒャー:岡田義徳
フリッツ・ザイデル:深水元基
ヨハンナ:松田佳央理
カール・ヴァン・ベートーヴェン(青年):小川ゲン
兵士ほか:宮部大駿
カール・ヴァン・ベートーヴェン(少年):正垣湊都 / 村山董絃
ヨゼフィーネ・フォン・ブルンスヴィク:奥貫薫
ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン / ステファン・ラヴィック:羽場裕一
ヴィクトル・ヴァン・ハスラー:長谷川初範

公演・舞台情報
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加美幸伸(Yukinobu KAMI) @kami_rock

【会見レポート】稲垣吾郎が挑む4度目の「No.9」、ベートーヴェンのような白井晃と“舞台を突き詰められる喜び”語る(動画あり) https://t.co/3O2YnVfDQL

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