声優・
このたび始動した「Staging!!」は、“演出家”に光を当てた朗読劇シリーズ。本企画では、1つの原作を題材に、舞台演出家、音響監督、映画監督などのさまざまなジャンルの“演出のプロ”が、独自に作品をディレクションする。その第1弾となる「四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男」では、小説家・小川哲の原作をもとに、アニメーション監督の
午後6時、私の部屋のインターホンが鳴った。モニターを見ると、見覚えがあるような、ないような男が立っている。「突然すみません。蘇我慶太です。僕のこと、覚えていますか?」と男は言い……。
去る2月7日に行われた記者会見で、本企画の発起人でもある神谷は、小川に原作の執筆を相談したときのことを振り返り「よくわからない企画を説明するところからのスタート。受けてくださったことにまずは感謝」と一言。また、“ループもの”となる本作のシナリオについて「すごく面白い。複数に解釈できる、玉虫色の原作を小川先生が用意してくださった」と感想を述べた。
現段階での演出プランを問われると、水島は「朗読劇だけど、見てくださる人の没入感を邪魔しない程度の映像も使おうと考えている。脚本を余さず役者に読んでもらって、お芝居をしてもらって、それがストレートに伝わる形を模索中」、若林は「音を中心に(した仕事を)やっていることもあり、オーディオドラマに近い感じになりそう。絵が浮かぶようなオーディオドラマができれば」、伊藤は「考察の余地がある作品が大好き。視覚的に見せる部分とあえて見せない部分の隙間に、きっとお客さんが想像する余地があると思う。謎解きをしながら進んでいく雰囲気が作れれば」と、それぞれに構想を明かした。
神谷は「最近の朗読劇はキャストに注目が集まることが多い印象ですが、今回の企画はキャストがメインではありません。ここに座っている3人の演出家が主役です」と本シリーズの趣旨を説明する。そして「僕は基本的に出演しないです。作っていく人たちの一番近くにいる立場として、メディアなどを通じて朗読劇を作る過程の面白さをお伝えしていき、皆さんに感じてもらえればと思っています。1人でも多くの人にエンタメの本質に触れていただけたらなと思っていますので、ぜひよろしくお願いします」と言葉に力を込めた。
「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」では、6月14日から16日まで水島演出回、28日から30日まで若林演出回、7月13日から15日まで伊藤演出回が上演される。出演者は後日発表される。
「Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』」
2024年6月14日(金)~16日(日) 、28日(金)~30日(日) 、7月13日(土)~15日(月・祝)
東京都 Mixalive TOKYO Theater Mixa
案内人:
原作:小川哲
脚本・演出:
Ko-Z @particolare1964
「演出家が主役」神谷浩史が朗読劇の新企画開始、第1弾に水島精二・若林和弘・伊藤マサミ(会見レポート) - ステージナタリー https://t.co/GRUKsGXlpX