VR能「攻殻機動隊」のプレ上演舞台挨拶が、昨日3月26日に行われた。
VR能「攻殻機動隊」は、士郎正宗のマンガ「攻殻機動隊」を原作に、最先端技術を駆使して立ち上げる新作能。舞台「攻殻機動隊ARISE:GHOST is ALIVE」を手がけた
プレ上演舞台挨拶では、主人公・草薙素子の面をつけた川口が、映像を背にパフォーマンスを披露。上演後、川口は「客席から観られないので何が起こっているかさっぱりわからない状況だったのですが、能はイマジネーションを働かせながら観るもの。なので、特殊効果を使うことによってそれらが共有できることは斬新だと感じています。全貌はまだわからないですが、凄く楽しみにしています」と話した。
坂口は「今回は古典ではなく、『攻殻機動隊』という世界的に有名なアニメを原作に作品を新たにつくるということで、非常に新しい挑戦だと思っています」と本作への意気込みを語る。さらに司会者から、今作で世代を超えた観客が増えるのではないかと問われると「能は難しいというイメージがありますが、能がこの先何百年と続いていくためにも、若い世代の人たちが能と触れ合うきっかけをつくりたい」と思いを明らかにした。
谷本は「今の時代の最先端である『攻殻機動隊』と、700年前に最先端だった能がどのように融合していくのか、こればっかりは実際に作る作業をしてみないとわからない」と述べつつ、川口のパフォーマンスを客席から観た感想を「今、川口さんが舞っていた能の内容というものは特にありませんでしたが、映像と相まると意味をなしてくることに驚きました。これが全編にわたってどうなっていくのか、楽しみです」とコメントし、公演への期待を寄せた。
また「攻殻機動隊」が自身にとってバイブルであると明かした奥は、「もともと主人公の草薙素子は、脳みそしか残っておらず、様々な身体に乗り移っていく存在。草薙素子のモチーフが、現代のテクノロジーと伝統芸能である能の世界観と非常に親和するのではないかと思ったことが、『攻殻機動隊』と能を融合しようと思ったきっかけです」と企画立案の経緯を語る。
最後に坂口は「この『攻殻機動隊』に関しては、このVRでしか上演できないので、能楽堂で上演することは絶対にできません。今回限りでございますので、見逃さないでいただきたい。もし評判が悪かったら二度とやりません(笑)。それぐらいの心持ちで臨みたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と気合い十分な様子を見せ、イベントを締めくくった。公演は8月21日から23日まで東京・世田谷パブリックシアターにて。
VR能「攻殻機動隊」
2020年8月21日(金)~23日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター
原作:士郎正宗「攻殻機動隊」(講談社KCデラックス刊)
演出:
脚本:
出演:坂口貴信、川口晃平、
3D技術:福地健太郎(明治大学教授)
VR技術:稲見昌彦(東京大学教授)
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