イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)日本公演に際し、7月6日に記者会見が行われた。
2012年に英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルだった
会見にはタマラ・ロホ、ゲストアーティストのユルギータ・ドロニナ、リードプリンシパルのイサック・エルナンデス、同じくリードプリンシパルの高橋絵里奈、そしてプリンシパルのローレッタ・サマースケールズ、ファースト・ソリストのセザール・コラレスが登壇。日本公演を目前にそれぞれが挨拶した。
タマラ・ロホは「バレエ団の来日公演が多く行われている日本で、いま、自分たちの舞台を披露できることを光栄に思う」と述べる。「芸術監督になってからさまざまな改革を行い、バレエ団は変貌を遂げている。また、自分が現役ダンサーとして踊ることで、他の優れたダンサーたちにもスポットが当たると思って活動している。視野を広くもち、バレエ以外の芸術の成果を取り入れながら、伝統を重んじつつも過去にとらわれない方向性を目指している。たとえば演劇の分野で、シェイクスピアの本質を保ちながら、現代人が楽しめるような演出や解釈を見せているように」と続けた。さらに「私はスペイン出身で、日本と同様にバレエの伝統が浅い国に生まれたが、そのぶん、様々な伝統を取り入れるチャンスに恵まれた。これからも、コンテンポラリーも含めて、多様な伝統の最良の部分を取り入れていきたい」と語った。
ユルギータ・ドロニナは「ダンサーが自分のパーソナリティを発揮できるのがこのカンパニーの素晴らしいところだと思う。『コッペリア』は子どもたちにも楽しんでもらえる舞台」と作品を解説した。イサック・エルナンデスは「いろんな国の出身で、さまざまなヴィジョンをもったダンサーやバレエ・マスターたちが集まり、理解しあって創造を行っているバレエ団というのは、ありそうで、なかなかない。伝統あるバレエ団が黄金期を取り戻そうとしている一方で、このバレエ団は前進あるのみ。つねに未来を見つめている」と述べる。
続いて高橋絵里奈は「大家族のように過ごしてきたカンパニーと一緒に、故国の日本で主役を踊れるのは夢のよう。日本人以外の仲間たちもこの公演を楽しみにしていた。自分の生き方や想いをバレエで伝えていければと思っている」と感慨深げ。ローレッタ・サマースケールズは「タマラはダンサーを型にはめず、自発性を尊重してくれる。そのおかげで、すべてのことを違った視点で見られるようになった」と語った。最後にセザール・コラレスは「来日してすぐに東京が大好きになった。『コッペリア』のフランツはこれがデビュー。『海賊』は花火のようなスーパー・エンターテイメントで、自分が出ていなければチケットを買って舞台を見たいくらいだ」と思いを語った。
イングリッシュ・ナショナル・バレエ「コッペリア」
2017年7月8日(土)・7月9日(日)※公演終了
東京都 東京文化会館
イングリッシュ・ナショナル・バレエ「海賊」
2017年7月14日(金)~17日(月・祝)
東京都 東京文化会館
※初出時、公演日程に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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- イングリッシュ・ナショナル・バレエ 2017/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
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