LE SSERAFIMとFEARNOTは“不可能を可能”にする、日本ツアー最終日「次は東京ドーム」が現実に

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LE SSERAFIMの日本ツアー「2025 LE SSERAFIM TOUR ‘EASY CRAZY HOT’ IN JAPAN」が昨日6月15日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演にて幕を閉じた。

LE SSERAFIM (P)&(C) SOURCE MUSIC

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「EASY CRAZY HOT」日本公演完走

「2025 LE SSERAFIM TOUR ‘EASY CRAZY HOT’ IN JAPAN」さいたまスーパーアリーナ公演の様子。 (P)&(C) SOURCE MUSIC

「2025 LE SSERAFIM TOUR ‘EASY CRAZY HOT’ IN JAPAN」さいたまスーパーアリーナ公演の様子。 (P)&(C) SOURCE MUSIC[拡大]

今回の日本ツアーは、4月の韓国公演を皮切りに全10以上の都市で行われるグループ初のワールドツアー「2025 LE SSERAFIM TOUR ‘EASY CRAZY HOT’」の日本公演。5月6、7日の愛知・ポートメッセ名古屋公演でスタートし、その後は大阪・大阪城ホール、福岡・西日本総合展示場を経て埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演でフィナーレを迎えた。

韓国内外の大型授賞式や海外フェスなど世界各国でのステージを経験しながら、“魅せる”だけにとどまらず、観客も“巻き込む”ライブへと進化を遂げてきたLE SSERAFIM。その成果はこの日さいたまスーパーアリーナにて、FEARNOTとの間に生まれた濃密な一体感となって結実していた。本稿では、6月12、14、15日の3日にわたって開催された埼玉公演より、日本ツアーの千秋楽となったDAY3公演の模様をレポートする。

スーパーLE SSERAFIM、スーパーFEARNOT

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KIM CHAEWON (P)&(C) SOURCE MUSIC

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ただならぬ雰囲気に包まれる開演時刻間近の会場。観客が今か今かとライブの始まりを待ちわびていると、大勢のダンサーたちが客席エリアから現れ、そのままセンターステージへと集結。重厚な雰囲気の中で披露する群舞が張り詰めた空気を生み出す中、舞台上で舞うダンサーたちが“雷に打たれる”姿が白のレーザー照明によって演出され、観客の視線を釘付けにする。ものものしい空気がただよう中、やがてメインステージの奥からLE SSERAFIMが姿を現し、「Ash」「HOT」と最新曲を続けて披露。流麗かつパワフルなダンスで会場を掌握し、続く「Come Over」のラストでは、5人はリーダーKIM CHAEWON(キム・チェウォン)のウインクを合図にメインステージへ続く花道を颯爽と駆け抜ける。顔を見合わせて笑い合いながら、まるで先ほどまでの張り詰めた空気が幻だったかのように、柔らかな笑顔でステージをあとにした。その後はメンバー1人ひとりをフィーチャーした壮大なVTR映像が流れ、ライブの始まりが改めて観客に周知された。

LE SSERAFIMにとって、日本ツアーの開催は2023年開催の「‘FLAME RISES’ IN JAPAN」以来およそ2年ぶりとなる。日本ツアーの最終地点であるさいたまスーパーアリーナはグループ最大規模とのことで、メンバーたちも気合十分。会場名をもじって、メンバーは「スーパーLE SSERAFIMでがんばります! 皆さんもスーパーFEARNOTでいてくれますか!?」と観客の熱狂を煽ったり、HONG EUNCHAE(ホン・ウンチェ)は「さいたまスーパーアリーナなので、今日はスーパーキュートです!」と自身のツインテールヘアーをアピールしたりと、さいたまスーパーアリーナという舞台でライブを行う高揚感をこれでもかと楽しむ5人の様子が伺えた。

SAKURAの広い視野とプロ意識

SAKURA (P)&(C) SOURCE MUSIC

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ライブ中は、メンバーが「このライブはLE SSERAFIMとFEARNOTが一緒に作り上げるもの」という意識を自然と引き出す場面も多々見られた。中でもSAKURA(サクラ)は、「皆さんが盛り上がってくれたら、後ろのほうにも行く……かも? 皆さん次第ですよ!」と熱気を煽るような言葉を投げかけ、「Blue Flame」前には、客席を上手下手に二分して「より声が大きかったほうに視線を送ります!」と競わせる形で声出しを促す場面も。撮影が可能な「DIFFRENT」のステージでは、パフォーマンス前に「撮影OKになると応援の声が小さくなっちゃうので……大きな声でコールできますか!?」とあらかじめ歓声を求めるなど、最後の瞬間まで“いまこの場”を観客と一緒にライブを盛り上げようとする姿勢が際立ち、FEARNOTもまた、この思いに応えるかのように熱烈な歓声を彼女たちに届ける。SAKURAに限らず、メンバーそれぞれの愛ある声かけの数々は、彼女たちがライブにかける思いの深さ、そして、LE SSERAFIMとFEARNOTの強い信頼関係を物語っていた。

なおSAKURAは、客席エリアに降りる演出が行われる「Star Signs」が始まる前には、FEARNOTに向けて「私たちが客席に降りたら、座ってご観覧ください!」と丁寧に呼びかけた。誰かが立ち上がることで、後方の観客の視界が遮られてしまう可能性を考慮したこのひと言からは、会場全体を俯瞰して広い視野で見渡す彼女のプロ意識がにじんでいた。

カーニバル再び

LE SSERAFIM (P)&(C) SOURCE MUSIC

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ツアーで披露された楽曲は、その多くにライブならではの編曲が施されており、中でも「Smart」はテンポを上げた“Sped Up”仕様でクラブのような高揚感が演出され、バンドサウンド仕様に編曲された「EASY」「FEARLESS」は、前者は重低音が響くハードなアレンジ、後者は思わず体が揺れるようなノリのいいアレンジへと姿を変え、それぞれの楽曲が持つ新たな表情が引き出された。

「FEARLESS」「Smart」と人気曲が続けざまに披露されて観客の反応がひと際熱を帯びていくと、この高揚感のまま、KIM CHAEWONは「私の仲間になれ!」とFEARNOTに告げて「Fire in the belly」へとつなげた。「Fire in the belly」は、前回の日本ツアーでは公演を締めくくる1曲として披露され、異様な盛り上がりとただならぬ一体感を見せたラテンサウンドの楽曲。2年のときを経てのこの曲のステージは、LE SSERAFIMとFEARNOTの一体感のさらなる深まり感じさせるようなステージとなり、「カーニバル」という言葉がぴったりの祝祭感あふれる空間が広がった。

「Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife」「CRAZY」などキャッチーなダンスナンバーが続くブロックではワッキングを取り入れたダンスブレイクが挿入され、FEARNOTの感嘆の声が引き出される。「Where the heck is Saki?」と、FEARNOT(韓国表記「피어나」=「咲」)を連想させる歌詞が印象的な「1-800-hot-n-fun」では、歌詞通り“Saki”の行方を探すという設定のもと、客席に1席だけ設けられた「SAKI SEAT(サキシート)」に着席するFEARNOTを、メンバー自らがビデオカメラを動かしながら捜索する演出も。モニタにはビデオカメラで撮影された映像がそのまま投影され、観客もSakiの捜索をともにするかのような一体感が生まれた。

私はまだ“何者でもない”のに

KAZUHA (P)&(C) SOURCE MUSIC

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HUH YUNJIN (P)&(C) SOURCE MUSIC

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アンコールではメンバー1人ひとりが公演の感想とFEARNOTへの深い愛情を口々に述べていく。KAZUHA(カズハ)は「FEARNOTという大切な存在に出会えた私たちは本当に幸せ者です。これまで私たちがいろんなことを乗り越えてきたように、このメンバーと、そしてFEARNOTと一緒なら、きっとこの先も『不可能』なことを『可能』にできると信じています」、HUH YUNJIN(ホ・ユンジン)は「私はまだ“何者でもない”のに、FEARNOTの皆さんの愛は、私を“何者にでもなれるかもしれない”という夢を抱かせてくれる」と、FEARNOTがいかに彼女たちにとって大きな存在かを語る。HONG EUNCHAEは「公演のたびに、私たちは『次はもっと大きな会場で会いましょう』と話していますが、それを実現するのは決して簡単なことではなく、当たり前にできることではないとよくわかっています。だからこそ、ここまで私たちを連れてきてくれたFEARNOTには、本当に心から感謝しています。そんな感謝の気持ちに満ちあふれた3日間となりました」と、さいたまスーパーアリーナでの3日間を穏やかな表情で振り返った。

「大きすぎる夢だったから」

HONG EUNCHAE (P)&(C) SOURCE MUSIC

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LE SSERAFIM (P)&(C) SOURCE MUSIC

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なおアンコールの最後には、突如モニタに映し出された映像を通じて、本ツアーの追加公演としてグループ初の東京ドーム公演が開催されることが明かされた。東京ドームでの単独公演はLE SSERAFIMにとって大きな目標であり、発表直後、KIM CHAEWONは「『私たち、ここまでがんばってきたんだな』と感じることができました」と涙を流す。HONG EUNCHAEは「『東京ドームでお会いしましょう』と言ってはいましたが、内心はとても不安な気持ちでした」と、「東京ドーム公演」という夢の実現を現実的なものとして捉えきれなかった心情を吐露。HUH YUNJINは「私たちはデビューのときは『次は東京ドームです』と言ってきましたが、時間が経つにつれて、それがあまりにも大きすぎる夢であることを感じるようになり、自然とそういったことを言わなくなったんです」と、夢を語ることすらためらうほど遠くに感じていた舞台だったことを明かし、その実現がいかに大きな意味を持つかを物語った。

東京ドーム公演の日程は、11月18、19日。チケットなどの詳細は追ってアナウンスされる。

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純ちゃん @jun_chan11

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