MATSURI STUDIOからやってきたZAZEN BOYSとTHIS IS PEDRO、バブリーでラブリーなツーマン

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ZAZEN BOYSとPEDROのツーマンライブが4月11日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

ZAZEN BOYSとPEDRO。(撮影:西槇太一)

ZAZEN BOYSとPEDRO。(撮影:西槇太一)

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ライブナタリー主催のもと開催された本企画。チケットはソールドアウトし、会場には超満員の観客が集まった。

ビビらずにTHIS IS PEDRO、見せて帰ります

PEDRO(撮影:西槇太一)

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先攻を務めたPEDROはオルタナロックを基調にしつつ、キャッチーなメロディラインを前面に押し出した「ラブリーベイビー」「安眠」でツーマンの幕を開けた。オーディエンスを心地よく歓迎したかと思いきや、「音楽」からはアユニ・D(B, Vo)の歌声にシャウトが混ざり始め、田渕ひさ子(G)のメロディアスなギターソロに合わせてゆーまお(Dr / ヒトリエ)のドラミングも激しさを増していく。さらに「万々歳」ではアユニがソリッドなベースピッキングを駆使し、バンドの勢いをより増幅させていった。

アユニ・D(B, Vo / PEDRO)(撮影:西槇太一)

アユニ・D(B, Vo / PEDRO)(撮影:西槇太一)[拡大]

「EDGE OF NINETEEN」の演奏を終え、フロアから怒涛の歓声が飛び交う中、アユニは「今やった曲は女版向井秀徳になりたくて、19歳の頃に作った曲です」「正直浮き足立ってますが、物怖じせず、ビビらずにTHIS IS PEDRO、見せて帰ります」と向井秀徳(Vo, G / ZAZEN BOYS)への多大なリスペクトを示しつつ、このツーマンに込めた思いをにじませた。そこから四つ打ちを基調にした「hope」、シューゲイザーを彷彿とさせる轟音チューン「雪の街」とバラエティ豊かな楽曲群でオーディエンスを圧倒。終盤に入ると、アユニは「確実に革命的で、超神聖な夜になったと思います」と自信を覗かせ、PEDROの曲で再会することを誓う「アンチ生活」で堂々と出番を終えた。

バブリーからのラブリー、そしてオザケン

ZAZEN BOYS(撮影:西槇太一)

ZAZEN BOYS(撮影:西槇太一)[拡大]

続いて登場したZAZEN BOYSは、禍々しい戦争風景を描写した「永遠少女」で緊張感に満ちたスタートを切り、MIYA(B)と松下敦(Dr)によるタイトなビートと吉兼聡(G)の奏でる軽快なリフが交差する「八方美人」、メンバー全員の掛け声とともに複雑なリズムパターンが展開される「安眠棒」など、独自の音構成の楽曲を次々とプレイ。合間には向井による「MATSURI STUDIOからやって参りました、ZAZEN BOYSです」という恒例の挨拶と曲解説を幾度も挟み込むことで、緊張と緩和が表現されていた。

向井秀徳(Vo, G / ZAZEN BOYS)(撮影:西槇太一)

向井秀徳(Vo, G / ZAZEN BOYS)(撮影:西槇太一)[拡大]

ZAZEN BOYS流のレゲエナンバー「Delayed Brain」、2曲をシームレスにつなげることで目まぐるしく曲調が移り変わるアレンジとなった「HENTAI TERMINATED」「HARD LIQUOR」を披露したあと、向井はおもむろに「ローランドのJC-120のコーラスをONにしてみようかな」と宣言。ステージ後方に設置されたギターアンプ・JC-120をいじり、「チャイコフスキーでよろしく」「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」で美しい空間合成コーラスを響かせた。深いエコーがかけられた「石焼きいも」コールがフロア中をこだまする「YAKIIMO」のあと、向井は「今日はこのライブバブリー主催…違うか、ラブリー?」と尋ね、小沢健二の「ラブリー」を一節熱唱。そして不思議な材料を列挙する「胸焼けうどんの作り方」を演奏し、「どげんもこげんもならんですばい」と一言告げてステージを去った。

向井秀徳、アユニ・Dにビックリ大作戦

「透明少女」披露中の向井秀徳(左)とアユニ・D(右)。(撮影:西槇太一)

「透明少女」披露中の向井秀徳(左)とアユニ・D(右)。(撮影:西槇太一)[拡大]

アンコールに入り、向井は「今夜のお客さんをお呼びします。いらっしゃいませ」とアユニを呼び込むと、PEDROがNUMBER GIRLの「透明少女」をカバーしていることについて触れ、「使用料3000円ください。領収書出しますんで」と催促。すると「やってるんなら歌えるわな?」とギター1本で「透明少女」を演奏し始め、急遽アユニとのセッションが実施された。このコラボは当初披露する予定がなく、向井が「今のはビックリ大作戦。こういうのけっこう嫌いじゃないんですよね」と語ったサプライズに、アユニは正座して深々と礼をした。

ZAZEN BOYSとアユニ・D(PEDRO)。(撮影:西槇太一)

ZAZEN BOYSとアユニ・D(PEDRO)。(撮影:西槇太一)[拡大]

肩を組んで歌う向井秀徳(右)とアユニ・D(左)。(撮影:西槇太一)

肩を組んで歌う向井秀徳(右)とアユニ・D(左)。(撮影:西槇太一)[拡大]

そしてラストナンバーに選ばれたのは、ZAZEN BOYSとアユニによる「はあとぶれいく」。向井とアユニはデュエット形式で歌唱し、終盤ではお互い肩を組んでリズムを取る、息ぴったりのパフォーマンスで観客を沸かせた。

セットリスト

「ZAZEN BOYS × PEDRO」2025年4月11日 渋谷CLUB QUATTRO

PEDRO

01. ラブリーベイビー
02. 安眠
03. ナイスな方へ
04. 音楽
05. 万々歳
06. EDGE OF NINETEEN
07. hope
08. 春夏秋冬
09. 雪の街
10. 清く、正しく
11. 吸って、吐いて
12. グリーンハイツ
13. アンチ生活

ZAZEN BOYS

01. 永遠少女
02. 八方美人
03. 安眠棒
04. 電球
05. Delayed Brain
06. HENTAI TERMINATED
07. HARD LIQUOR
08. ブルーサンダー
09. チャイコフスキーでよろしく
10. ブッカツ帰りのハイスクールボーイ
11. YAKIIMO
12. 乱土
13. 胸焼けうどんの作り方
<アンコール>
14. 透明少女(向井秀徳&アユニ・D)
15. はあとぶれいく(ZAZEN BOYS with アユニ・D)

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ライブナタリー @live_natalie_mu

【ライブレポ公開!】

ライブナタリー “ZAZEN BOYS × PEDRO”

音楽ナタリーにて、ライブレポを公開!
当日の模様をたくさんの写真と併せてお楽しみください。
https://t.co/HTOTo7rBOR

撮影:西槇太一 https://t.co/DQQYqt8XeU https://t.co/VSChuotKsa

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