2022年からツーマン企画をスタートし、ベテランから若手まで幅広く競演を行ってきたドレスコーズ。今回は
志磨くんとは「対バンしようね」って267回ぐらい言ってきたよ
先攻を務めた神聖かまってちゃんは、の子(Vo, G)が幼少期に通っていた文房具店を題材にした「ぺんてる」でライブをスタート。みずみずしい恋心を表した「ズッ友」、“君”に会いたい思いを夜空に重ね合わせた「天文学的なその数から」とポップな要素を前面に押し出したナンバーを次々と披露した。十分にフロアを温めたところで、の子は「あるイベントで毛皮のマリーズと初競演したあとも、スタジオ練習で何度か会うことがあって」「志磨くんとは『対バンしようね』って267回ぐらい言ってきたよ。ようやくだ!」とツーマンを実現できたことを感慨深そうに語った。
そんな喜びを示すように、尿意をエモーショナルに表現した「あるてぃめっとレイザー!」から、神聖かまってちゃんのテンションは一気にヒートアップ。の子は「人間ってのはジャングルなんだよ! もっとジャングルできんだろ!!」と独特なワードセンスで観客をアジテートし、代表曲「ロックンロールは鳴り止まないっ」の途中では即興のコール&レスポンスを大胆に盛り込んでいく。さらに「人生最高の日だろ! そうしとけや!!」ともはや恫喝に近い煽りを交えつつ、ラストナンバー「花ちゃんはリスかっ!」まで勢いを落とさずに突き抜けた。
あの頃の日本といえば「ロックンロールは鳴り止まないっ」、そして「ビューティフル」
続いてのドレスコーズは、ボビー・ヴィントンの「Mr. Lonely」が流れる中スタンバイを開始。各メンバーが粛々と準備を進めていると、志磨は最新のアーティスト写真と同じく、大きくうねった髪型で舞台に現れた。彼らはネオアコ調のサウンドが疾走感あふれる「聖者」、毛皮のマリーズ時代のストレートなロックチューン「ボニーとクライドは今夜も夢中」「REBEL SONG」と新旧交えたセトリで観客たちを盛り上げていく一方、志磨が「春にぴったりな曲」と紹介した「最低なともだち」では、“ともだち”に対する切ない心情がノスタルジックに描かれた。
神聖かまってちゃんとは15年近くにわたって交流してきたという志磨。その間もお互い活動を続けてきたことについて触れると、「みんないろいろあったね。生きのびられてよかった」と長年両者を応援してきたファンを労った。「コミック・ジェネレイション」演奏後、志磨は「あの頃の日本といえば『ロックンロールは鳴り止まないっ』、そしてこの曲でした」と告げると、同時期に人気を博した「ビューティフル」をプレイ。当時と変わらぬ力強さで畳みかけ、「愛に気をつけてね」ではおなじみの“Baby Baby あんたなんか”コールで終盤が彩られた。
アンコールの拍手が鳴り響くと、ステージの各所には「アンコール中動画撮影OK」の案内板が掲げられる。ドレスコーズのライブで正式に撮影が許可されるのは初で、観客たちの驚きの声が飛び交った。フロアの至るところでスマートフォンが掲げられる中、ドレスコーズはサプライズとして新曲「ミスフィッツ」を初披露。ひとりぼっちになってしまう志磨の孤独を題材にしつつ、軽やかなサウンドでオーディエンスを惹きつけた。そして終演後には、このライブ映像がSNS上に多数投稿され、来場者以外にも「ミスフィッツ」のパフォーマンスが届けられていった。
ドレスコーズの新曲「ミスフィッツ」は本日4月9日から各サブスクリプションサービスにて配信中。また同楽曲のライブ映像は「#ドレスコーズ_ミスフィッツ」のハッシュタグとともに各SNSにて投稿されている。
セットリスト
「ドレスコーズ+神聖かまってちゃん」2025年4月8日 LIQUIDROOM
神聖かまってちゃん
01. ぺんてる
02. ズッ友
03. 天文学的なその数から
04. きっと良くなるさ
05. あるてぃめっとレイザー!
06. ロックンロールは鳴り止まないっ
07. いかれたNeet
08. フロントメモリー
09. 花ちゃんはリスかっ!
ドレスコーズ
01. 聖者
02. この悪魔め
03. 襲撃
04. ボニーとクライドは今夜も夢中
05. REBEL SONG
06. 最低なともだち
07. やりすぎた天使
08. 少年セゾン
09. コミック・ジェネレイション
10. ビューティフル
11. 愛に気をつけてね
<アンコール>
12. ミスフィッツ
志磨遼平(ドレスコーズ) @thedresscodes
【ライブレポート】《ドレスコーズ+神聖かまってちゃん》のライブレポートがナタリーに。写真は森好弘くん。
我がことながら素晴らしい一夜でした。どうぞお読みください。 https://t.co/SCssVuXBNj