12月11日・12日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにて、
オーストリア・ウィーンで制作されたアルバム「ワルツを踊れ Tanz Walzer」のレコ発ツアーとして行われた「ふれあいコンサート」。ツアーファイナルのパシフィコ横浜公演には、このアルバム制作に参加したウィーン・アンバサーデ・オーケストラが招聘され、アルバムの楽曲を完全再現するゴージャスなステージが繰り広げられた。
会場のパシフィコ横浜に集まったファンの服装は普段のライブとはちょっぴり異なり、ワンピースやスーツなど多少改まったファッションの比率が高め。開演前のアナウンスでは、15分の休憩を挟んだ二部構成の公演となることが案内された。さらにグッズとしてクラシックのコンサートさながらにプログラムが販売され、ステージ袖に控えるスタッフは全員正装。通常とは違ったこのコンサートのスタイルを楽しもうとする雰囲気が、会場全体に漂っていた。
コンサートは、アルバムでも1曲目を飾った「ハイリゲンシュタッド」からスタート。「ワルツを踊れ」の曲はもちろん、過去のアルバムの収録曲も新たなオーケストラアレンジで披露されていく。「春風」「さよなら春の日」などが、原曲の持つ味わいをさらに深めた編曲で演奏された。
15分の休憩の後、第二部が幕を開ける。この日のコンサートはクラシックコンサートのマナーにのっとり、曲中の入退場や席移動は禁止の上、着席での鑑賞が義務付けられていた。そのため岸田もMCで「今日は着席スタイルでお楽しみいただいてますので、立ち上がると場内にいる警備員から撃たれますからね(笑)絶対に立っちゃダメですよ」と念押し。オールスタンディングとも通常のホールライブとも違う、心地よい緊張感が満ちていた。
そんな中、第二部は「グッドモーニング」で始まった。「惑星づくり」や「家出娘」「WORLD'S END SUPERNOVA」など、予想外の楽曲が驚異のアレンジで演奏されていく。しかしどの曲も重厚なストリングスとバンドの音がしっかりからみ合い、くるりの音楽性の幅広さとクラシックのサウンドの奥深さを感じさせる展開となっていた。
本編の最後は、アルバム先行シングルともなった「ジュビリー」。ロックとクラシックの調和をいちばんストレートに体現したこの曲で、ステージはいったん終了した。
鳴り止まないアンコールに応え、岸田繁(Vo,G)と佐藤征史(B)が2人だけでステージに登場。「夢のような時間でした」という岸田の挨拶に続き、2人のみのアコースティックバージョンで「男の子と女の子」、続いてバンドメンバーとコーラス隊を加えて「ハローグッバイ」が披露された。
再び登場したオーケストラのメンバーを、岸田はさまざまなエピソードを交えながら1人ずつ紹介。お酒の席やリハーサルでの話など、彼らがアルバム制作から培ってきた確かな絆や仲の良さを感じさせるエピソードばかりだった。
アンコールの最後は「言葉はさんかく こころは四角」。曲が終わると、警備員からの狙撃をものともせずに観客は次々に立ち上がり、スタンディングオベーションを送る。大きな拍手と歓声に応えるべく「ブレーメン」がもう一度演奏され、2時間半以上にわたる奇跡のコンサートは幕を閉じた。
このライブの模様は、12月6日に京都・磔磔で行われたライブ「TAKUTAKU DE KUTAKUTA」とともに、2008年2月にライブアルバムとしてリリースされる。また、2月17日にはCS放送・TBSチャンネルでのオンエアも予定されている。
公演情報
くるり「くるり ふれあいコンサート ファイナル」
- 2007年12月12日(水) 神奈川 パシフィコ横浜 国立大ホール
<セットリスト>
[第一部]
01.ハイリゲンシュタッド
02.ブレーメン
03.GUILTY
04.恋人の時計
05.スラヴ
06.コンチネンタル
07.春風
08.さよなら春の日
[第二部]
09.グッドモーニング
10.惑星づくり
11.ARMY
12.アマデウス
13.家出娘
14.アナーキー・イン・ザ・ムジーク
15.飴色の部屋
16.WORLD'S END SUPERNOVA
17.ジュビリー
[アンコール]
01.男の子と女の子
02.ハローグッバイ
03.言葉はさんかく こころは四角
04.ブレーメン
番組情報
TBSチャンネル「くるり ふれあいコンサート ファイナル」
- 2008年2月17日(日)21:00~23:00
関連リンク
タグ
ルミ @taurus5264
くるり、オーケストラと奏でた奇跡のハーモニー - 音楽ナタリー https://t.co/LcHhFWYjE9